厳島神社へ行こう。
さて、鳥居が見えたら、まっすぐ進む。
厳島神社の境内は結構広い。
今は閑散としてるけど、ここが賑やかになる時期がある。
8月と10月である。
8月は「傘鉾神事」だ。
青々と繁った大銀杏の下を傘鉾を被った人たちが静々と境内に入ってくる。
この銀杏は秋になると、真っ黄色になってとても美しい。
境内の中をグルグルと回って、本殿に拝礼する。
この時は、もう少し山の上にある細川の集落にある八坂神社でも、傘鉾神事がある。
そして、山の下の椎出の集落にある厳島神社では、鬼の舞神事がある。
それぞれが山の上から下に、時間をずらして開催されるので、見物人は移動しながら
全部見ることができる。
時間がずれるけど、お互いに人が交流したり行事が交わったりすることはない。
細川の傘鉾では鬼が出るんで、もしかしたら古沢の傘鉾でも昔は鬼がいたんかもしれん。
どれも雨乞いの神事ではあるんやけど、水田がほとんどない山の中の話なんで
どういう伝説や伝承と関係があるんかはわしはよう知らん。
10月の神事は「戎の御渡り」。
こんどは戎さんが登場。
やっぱり境内を練り歩いて、本殿の前に整列する。
その後本殿に向かってぴょんぴょん飛んでいく。
3回飛ぶあいだにこけてみせるのが面白い。
なぜ、この時期に?、なぜここで? というのはよう知らん。
福の神が五穀豊穣をもたらす?
えびす神は海に関係あるらしい? 厳島神社も海に関係あるらしい?
それが山のなかになんで?
わからんけど、過疎の集落にこういう催事が残っているのはとても良いことだ。
流鏑馬やら何やら、昔からもっと沢山の神事がいろいろあった土地柄らしい。
たくさんの人が集まってるのも集落の力を表す。
維持するのは大変なんやろけど頑張っていただきたい。
山の霊気と緑の精気が強く感じられるような紀伊の山の中。
ええですなあ。
そろそろ先に進もう。
鳥居の横の大きな銀杏は樹齢100年以上あるはずだ。
黄葉する時期には、評判を読んで見にくる人が多いらしい。
山の中の目立たない神社のようで、結構すごいのだ。
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