最近読んだ本、「静かなる太陽」、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

  • 2020年10月3日
  • 2人

霧島兵庫、「静かなる太陽」

はるか昔、「北京の55日」って映画を見たことがある。内容はいかにもハリウッドって
感じで面白くはあるけどほんまかいなという内容やったような気がする。いわゆる
義和団事件を扱ったやつやんやけど日本軍の指揮官、柴五郎中佐の役を伊丹十三が
演じたというのが話題になった。後で伊丹十三のエッセイを読んだら、この時のギャラで
ロータスエランという車を買ったなんてことが書いてあったくらいのしょうもない
ことが記憶に残ってる。
この本は、その義和団事件を描いた物語だ。ロータスとは何の関係もない。
日本人側からみたあの事件ということになる。
明治維新直前の幕府の東北攻めで大敗を喫した会津藩、その戦いのなかで柴五郎の
母も祖母も姉妹も自刃してしまい、残った男たちも賊徒として津軽に流され、
想像を絶する悲惨な目にあった。その心の闇を抱えて陸軍に入り、中佐となった彼は
清国公使館の駐在武官として北京に赴任して来た。そしていきなり事件が起こった。
日本の尊王攘夷の機運みたいなものだ。外国人をやっつけろ。外国人たちが清国を
食い物に、したい放題してるのは許せんではないか。
外国人たちは清国に取り締まりを要求する。清国側ではある意味、外国人狩りはうまくいけば
好都合でもある。そのうち騒ぎが過激化してきた。とうとう、「東公民巷」(外国公使館が
集まる場所)が攻撃され始めた。
どうやら清国政府までもが内々で加担してるのではないか?
列強各国の領事館は民間人もまきこんで守備隊を結成する。どの国も苦戦してる。その上、
利害が対立してなかなか足並みが揃わない。救援部隊は天津にいるがなかなか来られないようだ。
なぜなのか?
戦いはどんどん不利になる。とうとう列強各国の連携が強くなった。
もう少し頑張ろう。
主だった人たちが、銃弾に倒れていく。
いつまで頑張れるのか? 援軍はいつになったら到着するのか?
日本人たちは柴五郎中佐の元に頑張っている。彼は逆境に強いのではないか?
次第に外国人たちからも信頼を集め始める。
もう1ヶ月を越した。耐えられる限界をこしたのではないか? 食料がない。
武器がない。医薬品がない。
列国連合軍はどうなるのか?
彼らは生き延びられるのか?
とても面白い。

村上春樹、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

多崎つくるは色彩を持たない人生を送っているのか? 色彩を持たないと言うのは
どういうことなのか?
高校時代には完璧な友人がいた。4人の男女だ。アカとアオとシロとクロ。
その友情は突然砕け散った。なぜなのか?
その傷から逃れられず東京に来たが、それでもダメだ。
駅を設計する仕事についたが心の中は空虚なままだ。
そんな中、ハイ田が現れた。後輩だ。そして死のトークンの話を知る。それは一体何だ?
恋人もできた。しかし、「あなたの心には問題がある」と言われた。それは何か?
それを知るには旅に出る必要がある。心の巡礼なのか?
彼らから絶縁された理由がわかるのか?
受け入れられる現実なのか?
とても面白い。
やっぱり抜群のストーリーテラーではないやろか。
でも、だんだんスケールダウンしてきてるようでちょっと寂しい。
わしの読解力が足りんのかなあ。

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ありがとうございました。