熊野古道の旅、中辺路をちょろっと。−34、撮りバス人たち。

撮りバス人たち。

さて、バスは、雨の中、山中をクネクネと走る。
わしは、景色が見えやすいように、運転手と反対側の最前列の席に座っている。
ここからやと前も横も見えるんで視界がとても良い。
機嫌よく景色をみながら走る。

相変わらず運転手さんは走りながら色々と説明してくれる。

やはり災害に遭った後であるとか、その後、どう変わったかとかの話が多い。

それで気になることがある。
バスが、村里に入っていくと、その先々で、カメラを構えた人たちが待っている。
最初は何かイベントでもあるんかと思ってた。
でも何か様子がおかしい。もしかしたら、写真撮りにきてるんとちゃうやろか?
鉄ちゃんとか撮り鉄とかはよく聞くけど、撮りバスなんてのもあるんやろか?
さっきの谷瀬の吊り橋のところではっきりした。えらい群がって写真を撮ってはる。
それから先は、気にしながら見てると、行く先々に先回りしてカメラを構えて待ってはる。
わしは特に関心があるわけではないんで、雨の中、ご苦労さんなことやなあって、
思う程度。
それでも、その度に、乗客なんか気にしないで、正面からカメラ向けられて
バチバチ撮られるのもなんだか気い悪い。
顔がまともに狙われてる気がしないでもない。そんなはずはなくても気にはなる。
それならば、わしからも撮ってやろうと、座席から彼らにカメラを向けたら
慌てて逃げて行きはった。

窓外は時々、えらい雨になる。フロントガラスの向こうが、ワイパーが動いていても
とても見え難い時さえある。
そろそろ天辻トンネルにさしかかる。

運転手さんの説明によればここは天辻峠というところを通り過ぎているのだそうだ。
ちょうど紀伊半島の分水嶺になっていて、熊野川水系と紀の川水系がわかれるところだと言う。
なるほど、昔の交通の難所なのだ。
もちろん、これは新トンネルだ。
そういえば、南北朝の頃から、明治維新に至るまで、山を越えたり、越えなかったり、
色々と戦のあったところだ。
そろそろ五条市に入る。

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ありがとうございました。