最近読んだ本、「ミルクマン」、「その裁きは死」。

  • 2021年11月7日
  • 2人

アンナ・バーンズ、「ミルクマン」。

とてもシュールで、シリアスでキツイ話でもユーモアたっぷりでもある。
わかるようなわからんような。でも、惹き込まれる。
舞台は北アイルランド、ベルファスト。
テロの街、暴力の街って印象がある。
「サムバディ・マクサムバディが私の胸に銃口を押し当てながら私を猫呼ばわりし、
殺してやると脅したのは、ミルクマンが死んだのと同じ日だった。」
「ミルクマンは国の襲撃隊に射殺された。」
私は18歳、ミルクマンは41歳。わたしにはメイビーBFがいるというのに、ミルクマンの
女と思われている。
私はアイヴァンホーを読みながら歩いている。
何故ミルクマンが私に近づいて来るのか?
メイビーBFはすごいものを手に入れた。ベントレー・ブロワーのスーパーチャージャーの
パーツだ。しかし、これってこの国ではどうなんだ?
海の向こう側の国なら?
同調圧力? 暴力支配?
1e 私はバランスを崩し、彼女の股間を見つめながら倒れ込んだ。
2s ジョギングセッションの翌朝、私は理由を考えないようにしながらいつもより早い時間に家を出て、いつもは通らない街区のはずれまで行き、いつもと違うバスに乗って街へ出た。
義兄その3といっしょにジョギングすることでミルクマンが近づけないようにする私の計画は、こうしてまんまと成功した。
3s ミルクマンが三度目に現れたのは、フランス語の授業の後だった。
頭上の空はほんとうに真っ暗だった。それからドアまで歩いてカギを取り出し、鍵穴にそれを滑り込ませた。
すっと、楽に、震えずに。そんなふうにできたのは、まるで何百年ぶり、のような気がした。
4s ミルクマンとは三回目に会ったきり、それがー最後ーとはいかなかった。その後もミルクマンは現れ続けた。
彼女(私の長年の友)それから更に三ヶ月後、私は彼女自身の葬儀に参列した。彼女は夫と一緒に埋葬された。(十分ゾーン)からちょっと上がったところにある、墓地の中でも反体制派が埋葬される敷地で、そこは、「街とは無縁」「時間とは無縁」「しょっちゅう埋葬が行われる」墓地、あるいはもっと簡単に、「いつもの場所」として知られていた。
5s 人の飲み物に毒を入れてまわる、本当は女であるところの少女に、私は毒を盛られた。
その界隈を出たり入ったり、ぶらついている10代の子たちはたくさんいたけど、私はもはやそんな大勢の中の1人ではなくなった。私の意に反して、印が押されてしまったのだ。しかも印を押したのはミルクマンだけでじゃなかった。
6s 毒盛りがーるが殺されたと聞いた夜、チップスの店での出来事の前、私がまだベッドから出られなくて療養中だった間に、電話が三本かかってきた。
「ズボンはダメだ。きれいな服。女っぽい、女らしい、エレガントでおしゃれな服」
7s これまでの人生で、人をひっぱたいてやりたいと思ったことが三回、銃で顔をぶん殴ってやりたいと思ったことが1回。ミルクマンが死んだ
貯水池のある公園の方角に向かって歩道へ飛び出すと同時に、私は光を吐き出した。そして一瞬、ほんの一瞬だけ、笑いだしそうになった。

心がざわつく。
とても惹き込まれる。

アンソニー・ホロヴィッツ、「その裁きは死」。

衛星放送なんかでアガサ・クリスティやコナン・ドイルのミステリーモノを見てると
冒頭にこの人の名前が出てくる場合が多い。原作がすばらしくて未だに古臭くない
色褪せない、新鮮なストーリーと感じるのは、実はこういう人が、うまく仕立て直して
いるせいでもあるのだ。
その世界では有名な人らしい。「刑事フォイル」などオリジナルのミステリーも
たくさんある。
この本は、アンソニーとホーソーンが活躍する2作目だ。
勿論、アンソニーは作家自身がモデルになってる。

アンソニーは「刑事フォイル」の撮影で忙しい。
ロンドンの街の中を走り回ってる。そんな中、事件が起こる。
敏腕の離婚専門弁護士リチャード・プライスが殺されたのだ。
ワインのボトルで頭を殴られ、なんども突き刺されている。無残な死に方
壁に182と描かれたの何の印? ペンキに秘密? 数字の意味は?
最近の顧客は富裕な不動産屋でワインの収集エイドリアン・ロックウッド。
彼が仕掛けた妻、日系?の作家でフェミニスト、俳句を扱った作品などで
知られたアキラ・アンノに対する離婚訴訟。
離婚は無事成立、アキラは怒り心頭という背景がある。
アキラはリチャードを殺してやると叫んだらしい。しかもワインのボトルで殴ってと。
本当に彼女が怪しいのか?
近くに住むダヴィーナとは? その夫チャールズとは?
なぜ、ダヴィーナはリチャードの援助を受けていたのか?
リチャードに妻はいたのか? 共同経営者とは?
どうも、男のパートナーがいたらしい。スティーヴン・スペンサー?
怪しい人間は続々と登場する。
さて、本当の犯人はだれか?
チャールズとリチャードの過去にもヒントがありそうだ。
グレゴリーは何故、急遽ロンドンに現れたか。
ロンドン警視庁のカーラ・グランショー警部のスタンドプレーに引きずり回される?
さて、真犯人はだれか?
さて、真犯人を捕らえるのは誰か?
とても、面白い。
まるでテレビドラマを見てるようだ。
そういう作品だ。
展開が早くてわかり易い。

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ありがとうございました。