「白鷺立つ」
住田祐 著
「冬の叡山は水墨画である。」
本の扉を開くと、水墨画が現れる。曾我蕭白の「叡山図」だ。
勇壮、壮大というよりは、神秘的。不気味な霊気が漂っているかのようでもある。
叡山とはそういう山なのではないか。
千日回峰というのは時々、ニュースで知ったりする。
1000日間もひたすら山を歩くんか、大変やなあ。体力要るなあなんて、山岳耐久レース的な感覚で受け取ってた。
実は全然ちゃうのだ。
日々全てが修行なのだ。
叡山中の定められた修行場で、定められた期間、厳しい修行をする。
その間に峰々をめぐる修行があるのだ。体力の限界、気力の限界のまだその先を試される。
それらが無事終わってからも、最後の大試練が待っている。
ただの体力勝負ではない。食を断つ。寝ることも断つ。
恐ろしい。
できたものは当行満で阿闍梨になり、大行満で大阿闍梨になる。
神仏に等しい。
できなかったら、行不退。生きてはおられない。
恐ろしい。
東堂無動寺谷、玉照院。千日回峰の本拠地とも言える寺だ。そこで修行中の僧、恃照が回峰を願い出た。
どうしても成し遂げないわけがある。それは何か。
長老たちは大反対。どうしてもそれをさせるわけにはいかないわけがある。それはなにか。
それでも願う。とうとう師匠の推挙がでた。大修行が始まった・・・
とうとう回峰の最後。明王堂参蘢。堂入り絶食絶水の9日間。
あと、三匝(そう)を残すだけ。
最後の最後に何が起こった。
前代未聞の・・・・・
なぜ。どうなる。 だれがどう収める。
そして・・・・
「恃照さまは、何故生きておられるので」
「野に朽ちるは、戒閻、お前じゃ」
同じ業を背負うものたち。
救いは・・・・
とても面白い。
憎しみの末に見えたものは?
わしの勝手なおすすめ度。
星四つ半。
「野望の満洲 夢燈籠」
伊藤潤 著。
「激動の時代を疾走する男が向かったのは、野望と陰謀渦巻く熱砂の大地」
坂田家は祖父が一代で築きあげた。
引退後は江ノ島に弁天楼を買って居を定めた。石燈籠のある家であった。
留吉は実は父、善四郎のめかけの子であるということを知った。
なぜ母は私を捨てた? 手切金をもらって戻された?
しかし?
関東大震災。
筑豊へ? 探しに?
そして、日本は戦争に向かって・・・
満洲で事変が起こる・・・
とても面白い。
長兄が、陸軍士官学校へ。そして満州へ。そしてゆくへ不明になってしまった。
次兄は病に・・
世間は騒然としている。
留吉は満州に渡る決心をする。兄を探すためだ。
父の伝手で満州日報に入社、願いがかなう。
大陸で冒険が始まる。
とても面白い。
満州での記者暮らしが始まる。
張作霖の死に方がおかしい? なぜ?
まさか、兄もかかわっている?
戦時中、満州、とくれば、必ず登場する板垣征四郎高級参謀。
石原莞爾作戦参謀。
さて、どうなる。
とても面白い。
兄の行くへは? 満州で石油とは?
波瀾万丈の物語。
とてもわかりやすい。読みやすい。
わしの勝手なおすすめ度。
星三つ半。
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