酒を飲むのに、ウイスキーやブランデー、ワインなどではデキャンタ
というのを使うが、日本酒などでは昔から片口というのが使われている。
考え方はデキャンタと同じで、一々瓶からグラスに注ぐのは面倒だし、
無粋でもあるので、その時に飲む分量を碗状の容器に取り分けておくのだ。
そして、そこから盃に注ぐので、大きさや、扱い易さ、水切れの良さなどが
問題になる。
最近、こういう片口が気になって、いいのがあったら手に入れようと思っていた。
それで、先日、買い物をしていたら、錫の片口が目に付いた。
面白そうなので買って使い始めたら、これがなかなか好い。
まず、冷蔵庫で冷やしておく。熱伝導が良いせいか良く冷える。
酒を飲む時にギンギンに冷えたのを取り出して酒を注ぐ。
やはり日本酒になってしまう。
暫くして酒と片口が馴染んだ頃、おもむろに盃に注ぐ。
何故か分からないが味が好い。
雑味がなくなって味が好く感じると言われているが本当だ。
えぐみが少なくなって、味が深くなったように感じてしまう。
実に不思議だ。焼酎など蒸留酒を入れても効果は同じだ。
この場合、酒に氷をいれたり、水で割ったりしてはいけない。
折角このままで美味しいのにもったいないのだ。
この片口に酒を入れたまま冷やすと好いと書いたものもあるが、私は片口
だけを冷やして、それに常温の酒を注いで、馴染んだ温度が丁度好いのでは
ないかと考える。
問題はある。つい飲みすぎる事だ。
アジアを旅した後は、家でくつろいで片口で酒を飲むというのが至高の
時間かもしれない。
飲みすぎないよう注意しよう。
毎週月曜はこだわりのモノの話です。