「こういうのは賞味期限はどうなんのやろ」
「冷蔵庫に入れやんと熟成さしたほうがええ」
「一月は持つそうや」
友人に台湾で買ってきたピータンを頂いた。有名なところのモノらしい。
ちょっと見いは普通の卵だ。ちょっと殻が薄青く見えるのは中の卵が透けて見えているの
だろう。
大きさは鶏の卵よりちょっとだけ大きめだ。アヒルの卵やからあたりまえか。
「さて味はどやろ」
「コンコン」と殻を割って、普通の茹で卵と同じように少しずつ殻を剥いて行く。
丁寧に剥くと、中の白身の部分が濃い緑になっているのがよくわかる。そのうえに薄皮を
一枚のこして殻が剥けてしまうはずだ。薄皮を残す事は大事でもなんでもないので
それも取ってしまう。
「ころん」と濃い緑の茹で卵ができたはずだ。
これをスライスして食うだけのことだ。
ちょっと味をみてみよう。この濃い緑になった部分の透明ではあるが、濃厚そうな熟成色
が素晴らしい。見ただけでうまそうだとわかる。
「確かにうまい」、「濃厚だ」
かすかにアンモニア臭がするがそれは常識だから問題ない。
「さて酒は何にしよう」これだけ濃厚な味だと強い酒があう。
中国の味だから、中国の酒にしよう。
「やっぱり二鍋頭(アルグオトウ)やな」56度のバイヂュウだ。
このバイヂュウは鮮烈といえるほどすっきりしていて、しかも強いからこういうモノに
よくあうのだ。
北京に行った時もよくピータンでちびちびやっていた。
ピータンだけでも十分うまいが、ピータン豆腐なんかもええなあ。
切った冷たい豆腐に載せるだけだ。大蒜のタレをかけたり、香菜を刻んで入れるとおいしい。
中国の味だ。
「やっぱりピータンは台湾なんかなあ」
今まで食べた中でも極上のピータンであった。
それでやっぱりバイヂュウはええなあ。二鍋頭はおいしいなあ。安い安い庶民の酒。
中国に行きたいなあ。
という結論になる。