最近夢中で読んだ本の話、ジャック・ケルアック、佐々木丞平他

  • 2010年12月28日
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ジャック・ケルアック、「オン・ザ・ロード スクロール版」
実に痛快、わくわくする本だ。とても私が生まれる前に書かれた本とは思えない。
この手にわずかな金があったら、それをつかんでロードに出よう。
バスに乗ったらどこまでも行ける。
バス代がなくなったらヒッチハイクすればいいじゃないか。
どっかに行ったら、誰か友達がいるし、それで少し金を借りたら良いじゃないか。
金を借りられなきゃ、ちょっと働いたいいじゃないか。
それで又、ロードにでよう。
話は、緊迫感に満ちている。道が前へ前へと進むように、この書かれた紙も
前にすすむ。小説ではない、物語りですらない。ひたすら前に進むのだ。
その気分のままに果てしなくロール状に書き下ろされていくのだ。
ニューヨークからデンバーまで、更にカリフォルニアまで、
行ったり帰ったり、気持ちは常に、「ロードへ!」なのだ。
こんな人は、このあとどんな暮らしをするのだろう。
そっちの方が気になる。

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佐々木丞平、佐々木正子、小林恭二、野中昭夫、「蕪村、放浪する「文人」」
表紙に与謝蕪村の「夜色楼台図」がある。
これだけでこの本を読んでしまった。
こんな画を描ける人はすばらしい。京の町屋にしんしんと雪が降る。
夜が更けてきた。遠くの山の稜線が月明かりにきりりとしている。
家々はしずかだ。ほんのりと灯りがともっていて人の暮らしのぬくもりが
心を打つ。
蕪村は私の大好きな画家だ。文人としての生き様も大好きだ。
飄々洒脱な感覚が感じられる。
この本を読むと、少ししか知らなかった蕪村の句の世界が大きく広がって、
まるで画を見ているようだ。
みじか夜や枕にちかき銀屏風
狩衣の袖の裏這う蛍かな
山暮れて紅葉の朱を奮ひけり
宿かさぬ燈影や雪の家つづき
牡丹散て打ちかさなりぬ二三片
メモしてたらノートが一杯になってしまった。

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毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。