最近夢中で読んだ本、北方謙三、興膳宏

  • 2008年4月1日
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北方謙三、「水滸伝 18 乾坤の章」
梁山泊の戦いはとうとう最終段階に入ったかと思わせる様相を呈してきた。
梁山泊はじりじりと押し込まれている。
二龍山の死闘で泰明が憤死した。
一瞬、呉用の秘策で梁山泊軍が三度目の北京大名府占拠を果たした。
束の間のゆとりができるが、
とうとうあの不死身の林沖が死んでしまった。
しかし、次世代を託すべく若武者が登場。あの楊令だ。
林沖の後任はなんと楊令だった。

終章に向かって物語りは走る。

興膳宏、「中国名文選」
漢詩が好きで随分読んで来たし、画にもしてきた。
この本は文章の楽しみを言っている。
昔からあの大きな中国には方言が幾つもあった。
それにも関わらあの優れた文字文化が発展したのは、共通の
文章語の統一と発展があったからだと謂う。
成程そうだろう。
そういう文化の下地があればこそ、あれだけの国の話し言葉も普通語
として統一できたのだろう。
そしてその文章語を巧みに読む方法を作ったのが日本の漢文文化だ。
中国語で愉しむ程の力はないが、漢文的に読むと、やはり文章せかいはすばらしい。
荘子の「逍遥遊篇」の勇壮な話。
李白の「天地は万物の激旅、光陰は百代の過客なり・・・・」
という話。
蘇東波の「前・後赤壁賦」などなど、どれを読んでも心躍る文章だ。
前にも話題にした、欧陽脩の「酔翁亭の記」もでてくる。
こういう文章に浸って、その地を訪れて、画を描いて見るというのが願いだ。

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