最近読んだ本、「罪の轍」、「背高泡立草」

  • 2020年10月18日

奥田英朗、「罪の轍」。

読み始めて、どっかで聞いた話やな思い始めた。そのうち、これって「吉展ちゃん誘拐殺人事件」の
ことやないかと分かった。
そうして読むとまた内容が濃くなっていく。事実をベースにした小説ということであっても
ただのニュース解説よりはとても深い印象を受ける。
東京オリンピック開催前の頃のことだ。
北海道礼文島に貧しい若者が暮らしていた。猖獗を極めたニシン漁の景気はあっと言う間に
去ってしまった。わずかな昆布漁にすがる漁師の親方に雇われた宇野寛治という男。
父はどこかに逃げてしまい、母子二人の貧乏暮らし。
若者にとってはどうにもならん、鬱屈ばかりがたまるくらしであった。
父は何故にげたのか? 子どもの頃は当たり屋をやらされた?
なぜ彼はバカとよばれるようになったか? そう呼ばれる振る舞いをするようになったか?
心の闇が深く深くなっていく。
金欲しさにコソ泥を重ねた上に、何をしでかしたのか?
礼文島の嵐の夜に何があったのか? 彼はどこへ消えた?
そして舞台は東京へ。
ある日、南千住で質屋の主人が殺される事件があった? 強盗殺人か? 何か裏の事情がありそう?
空き巣と殺人とは別かも知れん?
警視庁捜査一課の落合刑事が追う。
子どもたちからバカと呼ばれる若者が浮上。いったいどこに潜んでいるのか?
そして大事件が起きた。
子供の誘拐事件だ。犯人からの身代金の要求があった。
そして警察は?
縄張り争いとマスコミの狂騒。
そしてどこかで話が繋がっていく。
北国なまり? 暗い過去? 三谷のドヤ街暮らし?
一気に読んでしまう。とても面白い。どんどん惹き混まれる。

古川真人、「背高泡立草」

草は刈らねばならない。そこに埋もれているのは、納屋だけではないから。
長崎の島にある母の実家の納屋の草刈りをするのが毎年の習慣であった。
そこには<古か家>と<新しい方の家>がある。どちらも空き家ではあるが、どちらにも
物語がある。
島は海に出ればどこにでも行ける。
そこには古くから冒険の物語があったようなのだ。
戦争中に立ちいかなくなってその頃流行の満洲移民の話の乗せられて出ていった人が沢山いる。
出ていく人もいれば帰ってくるひともいた。
そこから始まるいろんなことがある。
もっと昔は鯨漁が盛んであった。蝦夷までも行って漁をしていたものたちがいた。
それにまつわる話がある。
終戦後すぐに故郷に帰ろうと船出した朝鮮人たちが難破して流れ着いたこともあった。
海の冒険の話は尽きない。
ある日、家をでて、カヌーで海を漂う家で少年が流れ着いた。
彼にはどんな話があったのだろう。
わしにはちょっと難しい。

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