最近読んだ本、「ペテロの葬列」、「ローカル線で行こう」

  • 2019年12月7日
  • 3人

宮部みゆき、「ペテロの葬列」

この人の本は、えらい分厚い本が多くて、しかも上下2冊とかが多いんでちょっと
敬遠してたけど、分厚いながらも1冊本があったんで読んで見ることにした。
杉村三郎はある会社の広報室の編集員だ。
しがないサラリーマンのようだが実は妻が会長の血縁なのだ。そのためにいいことも
あればよくないこともある。
そんなある日、原稿をもらいに出張した先でたまたま乗ったバスがあろことか
拳銃を振りかざしたバスジャックに出会ってしまった。
しかも、その犯人たるや老人ではないか?
バスは指示されるまま、潰れた工場跡の空き地に停車、乗客を人質に警察との
交渉が始まる。この老人の狙いは何なのか?
要求は人を探して連れてこ言うだけなのか?
そして犯人は人質たちに不思議な申し出をした。お詫びに金を出そうと言うのか?
しかも大金。本当に?どうやって?
事態は緊迫してきた。
警察は要求に応じるのか?
そして、一気に突入?
犯人は死んでしまった? 殺された? 自殺?
事件はめでたく終了?
では、お詫びのお金はどうなった?
杉村は事件の経過が納得できない。調べ始めたら、次々と不思議な事実が明らかに?
犯人が求めた人たちとは? そして大きな事件の影にあった暗闇が少しずつ見えてくる。
何時まで経ってもなくならないマルチ商法まがいの手くだ。
悪いのは首謀者だけなのか? 知らずに?騙された人?が又人を騙す?
途中の闇は誰が責任を負うのか?
事態は思わぬ方向に向かう。
果たして何が解決されて、誰が罪を問われるのか?
とても面白い。

真帆祐一、「ローカル線で行こう」

日本全国、第三セクターのローカル線は苦戦してるみたいだ。廃線になったという
話を聞くことも多い。わしの住んでる九度山でもバス路線は殆ど無くなってるし、
電車路線も無くなってはないものの本数は大幅に少なくなっていて、車がないと
暮らすのが難しいくらいだ。ますます進む高齢化社会を考えると暗澹たる気持ちに
なってしまう。
こういう路線って、自己責任で収支を成り立たたへんからやめるって理屈はわからんでも
ないけど行政のインフラサービスって考えもなかったら高齢者社会を維持できへんように
なるんとちゃうやろか?
いずれにしろそんなローカル線でも色々工夫して盛り上げてるという明るい話があると
とても嬉しい。時には乗りに行きたいと思う。

東北のある街で、あるローカル線が赤字をかかえるお荷物路線として存亡の聞きに立たされている。
何とかせんとあかん。
会長が奇想天外な案をだした。
新幹線車内販売の売上ナンバーワン、カリスマ・アテンダントの美人女性を引き抜いて、
社長にするというのだ。篠宮亜佐美。三十一歳、独身。
副社長は県庁からおくりこまれた鵜沢哲夫。
さて、どんなアイデアがでるのか?
もりはら鉄道は盛り上がるのか?
社員はついてくるのか?
課題はやまのようにある。
しかし、さすがカリスマ、次々と奇策のようでいて理にかなったアイデアがでる。
路線の人びと、商店街の人びと、乗客たちの心を徐々につかんでいく。
さあ、順風満帆の船出ができるか?
しかし、他人の成功を妬む人もいる。
どさくさにまぎれて私欲を狙う人もいる。
善意のはずの布石が裏目に出る場合もある。
次々の起こる事件を乗り越えられるのか?
とても読みやすい。
チャラいけど楽しい。
とても面白い。

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ありがとうございました。