九度山暮らしのある日、ある日、突然、ガン患者になってしまった話−5、流動食になった。

流動食になった。

さて、手術後3日目で流動食が出た。

1/3になってしまった胃にモノを通す練習が始まった。流動食と言うてもお汁ばっかり、
これを30分かけて慎重に流し込む。水も含めて初めてのことやからヒヤヒヤものだ。
時計を見ながらチビチビ減らしていく。
昼はこれ、

夜はこれ。

こんなもんでも口に入れたら結構膨満感が生じる。
それでも体を慣らして行かんとあかん。しかし、時間をかけるのがけっこうつらい。
かなり虚しい。
まあ、基本的な栄養は点滴で賄ってるんでこれでどうということはないけど早く慣れて
次のステップに進みたい。
三本足でタラタラ動く以外はとても暇だ。テレビを見るか、本を読むか、ネットをするか。
ネットはLANケーブルのコネクターがあるんでRJ45-ライトニングの変換ケーブルを事前に
用意しておいた。これを使うと、IPhoneでもiPadでもネットやり放題だ。
電波も届くけど、ギガ放題の契約してないんでこの方がいい。

気分的にあんまり書き込みをする気はしいへんけど読むのは暇つぶしでありがたい。
暇つぶし以外は廊下をチョロチョロ。
ベッドでも廊下でも病院暮らし特有のいろんな切なさが耳に入ってくる。
でもそれは、あくまでも通りすがりやベッドでいるときに漏れ聞いただけのものを
想像を膨らむだけ膨らませた結果であって事実である保証はなにもない。ただの
暇つぶしの妄想と思って聞いて貰えたらと思う。
例えば、ある患者がいてる。
どうも一晩中寝られへんみたい、わしも1時間半か2時間おきにトイレに行くんで
似たようなもんやけど、そっちはいろいろ苦しんではるみたい。先生に睡眠薬みたいなのを
処方してくれるよう頼んでるみたい。結構苦しそうだ。
しかし、治療計画上なんらかの問題があるらしく、先生や看護師さんが我慢するよう説得してる。
それでも我慢できへんらしく、本人やら奥さんやらがなんとかしてと詰め寄ってる気配が・・。
その後、治療スタッフが検討したらしく、希望通りにするけど、そうすると、フラフラして
自分で動くのが困難になるんで尿管に管を入れることになるけどそれでも良いかと
いう相談になったようだ。
結構揉めたあげくその方向でいくことになったみたい。
それで収まったか?
いやいやこんどは一晩中しょっちゅうナースコールが鳴っている。
どうもトイレに行きたいと言ってるみたい。看護師さんが尿管にチューブが入ってるんで
行かなくてもいいと説明してるけど、納得しない。
オシッコしたい感が強いみたい。
何度も呼んでは説得されと夜中中続く。
挙句の果てには尿管のチューブを外せと言ってるみたい。
どういう病気かわからんけど、大変やなあって思う。特に、尿管にチューブを通されてると、
昨日までのわしがそうやった、不自由感がとても強い。ベッドに縛り付けられて自由に
動かれへんと思うととても情けない。その気持ようわかる。
どうやらすごいごっつい人らしい。看護師さんたちが介助して動かすのも大変らしい。
それにしてもこんな風にどっちを選んでも辛いことばっかりなんて哀しいなあ。
病気って辛いもんだ。
又、例えば、
ニコニコ元気で退院していった人の後に病室を移動してきた人がいる。
なんかえらそうにしてはる。
移動の世話をしてくれてる看護師さんたちに、何かモノが無くなったとか、何でやとか、
頭ごなし、結局家族が持ってはった。
その後、薬の効き具合や、体調を調べにきても、そんなん当たり前やろとか、そのなこと
できるわけないやろとか、言いたい放題だ。
さすが、看護師さんたちは上手にいなしてはる。
この人は心臓関係の病気が再発して、再手術を待ってる状態らしい。
不安とストレスでこんな風になってはるんやろねえ。多分。
病院生活を楽しんではる人はほぼいない。当たり前やけど。

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ありがとうございました。