四文字遊びシリーズ。「石破天驚」、「千違万別」。

「石破天驚」

驚くほど素晴らしいことを表すのだそうだ。

素晴らしいって思ったことはいろいろ、数知れずある。

けど、わざわざ四文字で言わんならんほど素晴らしいことに出会った記憶はあんまりない。

素晴らしいかどうかわからんけど見て仰天したこともいくつかある。

例えば、ずっと昔、面白半分に大阪で一番ディープそうな西成の裏通りを歩いてたら、向こうから花簪を髪にさした人がシャラシャラとやってくる。よう見たら、酔っ払った爺さんだった。ジロッと睨まれた。オチはない。

例えば、タイの飲み屋街の裏通り、夕方歩いてたら、ものすごいスタイルの良い美人がやってきた。妖艶に笑って通り過ぎていった。となりの友人が、オイあれって男やで。

例えば、ある日、駅のホームを歩いてたら、一本歯の下駄を履いた男が丁髷姿で、普通の服をきて歩いてはった。いきってはるなあ。

例えば、ある日、電車の中で、降りる人を見てたら、和服を着た女性がいて、ふと、帯をみたら、普通の女性用の帯ではなくて、男用の角帯みたいなのにお人形を結びこんで締めてはった。この発想、あっぱれですなあ。

例えば、ある日、ホームで本を読みながら電車を待ってた。ふと顔を上げたら、向かいのその向こうのホームに全裸の爺さんが佇んではった。哀しいオチがあるんやろねえ。

あじあん

「千違万別」

 

最近、本を読んでたら、サヴァン症候群という言葉が出てきた。

なんらかの障害があると診断された人や、自閉症と呼ばれるような人のなかに、ある分野に特別な能力を、それも天才と言われるほどのレベルで発揮する人がいるのだそうだ。

本のなかでは、瞬時に見たものを意識できないほどの細部まで覚えてしまう、映像記憶能力、しかも、それを微細に再表現できてしまうのだそうだ。

そんな人やら、コンピュータおたくみたいな人で、ありとあらゆる奥深いところまで精通してしまって、どんな複雑なシステムでもハッキングできてしまう人やらがでてくる。

あんまり、テレビを見いへんけど、たまたまミステリー番組を見てたら、自閉症と言われる若い女性が、対人環境に適応しにくいながらも、警察組織の中で、超特別な犯罪分析能力を発揮して、悪者をバッタバッタと捕まえていくようなやつだって。これは素晴らしいと思ったりした。

そういえば、自閉症や脳性麻痺の人で、すばらしい絵を描いたり、高名な書家であったり、音楽にすごい才能を発揮する人の話をよく聞くではないか。

普通のわしらはどうなんねん。

特別なモンはなんもなく、才能もなさげで、努力を続ける根性もないけど、もしかして、いつかどっからか、不思議な神の導きが降臨したりすることがあるんやろか。

いやはや。

アクセクと、なけなしの能力をすりへらして。

小さなワクから抜け出す?

いつか、きっと。

あじあん

:::「石臼」

いつもわたしをすりつぶしている石臼。その上下の石のあいだからわたしを引っぱり出してくれるものであれば、それがたとえ何であろうと、引っぱり出されるときの苦痛がひどすぎないかぎり、ありがたいことだ。

:::カフカ断片集 新潮文庫 より。

あじあん

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