久しぶりの京都市美術館

久しぶりに京都市美術館に行った。
もう終わってひさしいが、「京都日本画の誕生ー巨匠たちの挑戦」というのを
見に行ったのだ。
これは見てよかった。個々の作品もよかったが、何より、日本画の正統を創り
育て伝えてきた京都の伝統というのがよく感じられた。
そしてそういう育ての中で、中国の水墨を学んだり日本の伝統的な水墨の技を
伝えることのしっかりとされてきてのだというのも感じた。
それで余計に、何で今は水墨画や文人画が大きな位置を占めていないのか、
その道を学ぶ者への登龍門があまり開かれていないのか、水墨を学ぶものとして
寂しく思った。
明治維新の頃、岡倉天心やフェノロサなどが、外国を真似る芸術を排して純粋な
日本画を育てよういう運動のなかで日本画の隆盛が始まり、逆に水墨画や文人画
が排斥されていったのだという話を聞いた事がある。
もしそれが本当でそれが原因で水墨画や文人画が盛んにならないのなら寂しい話だ。
この時点ではまだ紅葉は見られない。
さっさと帰ろうと思ったが、次に用がある場所に行くにはバスが便利そうだ。
しかも美術館のすぐ前にバス停がある。
「あっバスが来てる」と思ったら、もう出て行った。
「しまった」と思ったがよくみるとその番号は行く先が違う。
「よかった」と思って待っていると、
「○番のバスはもうでましたか?」と聞かれた。
「今出たとこですよ」さっきのやつだ。
地図を持った女子中学生達が集まってきた。バスの時刻表を見て、
「後40分あるで」とか、「△△で乗り換えて」とか言っている。
別のおばさんが、「□番やったら先にくるで」と教えている。
電車の駅では見られない会話があってバス停はなかなか楽しい。

kyoto101128