九度山暮らしのある日、栴檀(おうち)の花が咲く季節になった。

栴檀(おうち)の花が咲く季節になった。

九度山の町中をあいかわらずウォーキングしてる。鈍感なわしでも季節の移り変わりは
感じられる。どんどん日差しが暖かくなるに連れて町石道を登って高野山詣でに
行く人が急に多くなってきた。山に登るには寒いより暑い方がいい。荷物が少ない。
しかも、まだ熊や蛇がでるには早い季節でもある。
平気な人も居てるけどわしは苦手。熊なんてと思う人も多い、わしもそうやったけど
去年熊野古道小辺路を歩いた時、わしらの20分ほど前を歩いてた女性が目の前を
熊が通ったと言ってた。やっぱり油断大敵なのだ。まかり間違えばなにが起きるか
わからへん。カモシカを見たという話も聞いた。こっちは羨ましい。ぜひ見てみたい
ものだ。わしは野生の大きな猿を見たことがある。
1人で登る人、グループで登る人、10人前後のグループで登る人たちが一番
多いみたい。楽しそうだ。
それにしても走って登る人が多いなあ。
そういう人たちとすれ違いながらわしは反対方向に向かう。
曲がり角の地味な場所に一本の木がある。普段は横目でちらっと見るだけで通り過ぎるんやけど
この季節だけ、地味な花が咲いて、仄かな香りがする。

よくみたら葉が茂って花が咲いた木の姿はとても美しい。

地味な紫色の小さな花が沢山ついているのが見える。

看板は何度も見てるんやけど又見てみる。

栴檀の木(樗の木)とある。
春〜6月ごろ、淡い紫色の五弁の花をつけ楕円の実を結ぶ。
実は苦楝子という生薬に使われるらしい。
「栴檀は双葉より芳し」の栴檀は実は白檀の事を言うらしい。確かに白檀は
強くて華々しい香りがする。線香でも火をつけるまえから辺り一面に香りが漂う。
木彫りの置物もええ香りがする。こちらはほったらかして紫外線にあたってると
香りが消えていくらしいんで木をつけんとあかん。
わしの家にあるやつは殆ど匂いが飛んでしまってる。せっせと磨いたら復活する
らしいけど面倒だ。
それはともかく、南方熊楠が生涯かけて愛したというこの花は一つ一つがとても
儚げで翳が薄いけど、木としてまとまるとどっしりと安定していて、さすが樹齢
百五十年の存在感がある。
木のしたにいくと爽やかな香りにみたされてとても幸せな気分になる。

高野山に登るみちすがら、ぜひここでこの花を愛でて行ってもらいたいものだと
思う。

このあたり。

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ありがとうございました。