誉田哲也、「歌舞伎町ゲノム」。
これって必殺仕掛人とかああいうたぐいのテレビの娯楽番組見てるみたい。しょうもな、
出来過ぎや、うまいこと行きすぎ、チャラいなあなんて軽ーく読みつつも、適度にひきつけ
られて、適度に肩入れしてしまうのは、わしの心の中にはミーハーが結構居てるということ
なんやろと思う。
新宿歌舞伎町の裏の顔にはこんな顔もあるのか?
恨みを晴らす手口も面白い。
さて、歌舞伎町セブン登場。
元締め斎藤杏奈、市村、ジロウ、ミサキ、陣内、小川、掃除屋しんちゃん。
普段の暮らしぶりからは伺いしれない其々の個性と特技で悪を懲らしめる。
兼任御法度
恋人がムキムキラガーに犯される。しかし、事件は政治家がらみでウヤムヤに。
とうとう自殺か? この恨みどうやって晴らそう。
凱旋御法度
気のいいアイマンはエジプト人、運転手をして生計をたてている。
免許の切替で帰国するはずのその日に不審な死に方をした。
これは殺人か? 外国人狩りとは?
在留外国人の闇か?
売逃御法度
女から依頼があった。上司が怪しい。私の先輩を殺しんとちゃうやろか?
本当にそうやろか? 捻れた性の裏側にあるものは?
改竄御法度
女が犯された。政治家のスキャンダルか? ICレコーダに録音されてた内容は?
彼女を売ったのは誰か?恋人は本当に彼女を助けようとしてるのか?
恩赦御法度
土屋昭子を襲う逃走犯。実は誰だ? 芳香からわかったことは?
どこまでも勧善懲悪。
悪は最後に滅びる。
亀田俊和、「観応の擾乱」。
「応仁の乱」がとてもおもしろかったんでこれにも興味を惹かれて読んでみた。
この「観応の擾乱」の世の中の状況がやがて「応仁の乱」に繋がっていくのかという
見方で読んでいくことができてとても面白い。
まだまだ、帰属意識や忠誠心が世の中の当たり前ではなかった時代のようだ。
昨日の敵は今日の友、モノをくれたり褒美をくれたりする人は良い人で、
モノを奪う人、領地は奪う人は悪い人だ。
領主の指図の本、一丸となって敵に立ち向かう、主君のためなら命も要らない、
なんてことはまだまだ先のことだった時代の話。
将軍、足利尊氏もとても変わってると思う。自分は表に出ないで弟直義に政治のすべてを
任せてるようだ。2人の仕事の分担はとてもうまく行ってる。
そのはずが少しずつ波風がなってきたのではなかろうか?
何故、尊氏は自分の長男を後継者にしなかったのか?
執事高師直と直義の対立が深まる。
とは言え、塩冶判官も大星由良之助は出てこない。
それに加えて南北朝がある。
公式には足利幕府は北朝を正統としている。
しかし、南朝の力を借りるチームもいてる。
混乱は深まり、小競り合いがどんどん大きくなって天下を揺るがしかねない騒乱に
発展する。
さてどうなる? とは誰でも知ってる歴史の結果がある。
しかし、混沌の世の中を生きる武士たちの焦りと戸惑いと、頑張りがいろいろと
感じられて硬い本ながらとても面白い。
近畿、南河内、和歌山、暮らしの舞台が様々に関わってて、なるほどそうやったんかと
今につながる歴史のながれに膝を打つことも多い。
ええ勉強になりました。
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