又々、誰も興味ない話である。
熊野古道やらに興味があって、それにまつわる漢詩や文章なんかがないんかなあって思って、ネット上をうろついてたら、面白い本を見つけた。
「購読 南紀遊詩 全」という題の本だ。
検索したら、和歌山県立図書館にあるらしい。閲覧可能だ。
ということで、和歌山県人であるわしは、地元の図書館経由で借りることにした。
こんなん誰も興味ないらしく、じきにやってきた。
なるほど、本は古文書の類ではない。新しく印刷されたやつだ。
古文書の文章を現代文で解説したようなやつだ。
それでいい。わしは、古文書えらそうに読んで見せたいわけではない。読まれへんけど。
解説してもらえるととてもありがたい。
南紀遊詩の内容。
和歌山県の南紀方面。というか、和歌浦のあたりから始まって、海南、湯浅を通って、田辺に向かう。
そこから、熊野古道本宮大社の方、那智、勝浦、新宮の方、南紀の各方面のことが描かれている。
いろんな場所が漢詩に読まれ、漢文調の文章に描かれている。
誰か一人が書いた旅行記というわけではなくて、文人墨客たちが集まって、名所談義をしながら詩を詠んだという体で綴られてるような雰囲気だ。
そういうお遊びが洒落てた時代の話なんやろね。
知らんけど。
中々良い。
今更漢文を味わいたいとか、漢詩を楽しみたいとか思わへんけど、昔の和歌山、南紀の名所がどう表現されてるかがとても興味がある。
今みたいに、都会化してない、交通が発達してない、自然があんまり壊されてない、時代に、あの風景はどんな風に見えてたんやろか、それをどんな言葉で現したんやろか、興味深い。
それで、思った。
わしら、というか、わしは、よう考えたら、言葉を知らんなあ。
つくづくそう思う。
この本に出てくるような2文字熟語って、昔の人はすらすら出てきたんやろか?
普段使わへんと、本や辞典で調べても出会うことがない。
そういえば、たまに目の前の感動や、感興、気分を表すええ言葉がさっぱりわからんてことがよくあるではないか。
こんなふうにわしらは、気がつかんうちに身の回りから文化をなくしていくんやろか?
寂しい気持ちになってしまって、この本って買うて手元に置いとけるんやろかって考えた。
アマゾンで探したら、売ってない。
ネットで、古本としてもなんとなく流通してなさげだ。
それで、出版社を調べてみた。巻末に「あおい書店」って書いてある。
和歌山県田辺市にある書店だ。なるほど、書店が出版してる。
念のために電話してみた。
なんと在庫があるし、今も店頭に並んでるという。定価は五百円。
なんと素晴らしい。これはいい。買いたい。しかし、田辺まで行くのは大変だ。
送ってもらわれへんやろか?
送料込みで振り込んでもらえたら送ります。
では、早速お願いします。
てなことで、するすると事が運んで、翌日には手元にあった。
ええですなあ。アマゾンにたよらんでも即刻手に入った。
これで、いくぶんなりとも昔の文人墨客の気分にふれることができるやろか?
なんでも通販てのを外してみるのもええですなあ。
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