曹雪芹、「紅楼夢(中)」
長い長い「紅楼夢」もとうとう中巻に入った。
とりたてて大きくドラマチックな展開が起こるとか波乱万丈の人生とかいうのではなくて
賈宝玉とそのまわりに暮らす少女達の大観園での暮らしぶりが淡々と、しかも細密に
書き綴られて行く。
しかし、行事や事件はつぎつぎに起きていく。
何故か、婚礼ごとはそれほど大規模ではないけれど葬礼ごとは結構大規模だ。
貴人の誕生祝は事の他大規模だ。そういう時に、どんな服装でどんなものを食べて、
どんな人がどんな行動をする、そんな事が詳細に描かれているので、当時の生活が目に
浮かぶようだ。
又、日々集う少女達が、自在に古典を引用し、詩を読むのも凄い生活だ。
画を描く人もいる。
実に枕草子の世界だ。
そして、沢山の人が集まって暮らすからには、その運営の主導権の話があったり、
恨みや妬み、嫉妬からくる細かい事件は後をたたない。
ああ、それでとうとう美しくてはつらつとした晴ブンは死んでしまった。
薛宝釵も外に出てしまった。宝玉のまわりからどんどん人が減っていく。
林黛玉はどうなるの。襲人はどうなるの。
場所は長安。時代は明の頃の想定なんでしょうか。
じつにわくわくします。
下巻を読むのが待ち遠しい。
毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。