最近夢中で読んだ本、寺山修司、アゴタ・クリストフ

  • 2008年12月30日
  • 2人
NO IMAGE

寺山修司、「花嫁化鳥」
寺山修司の奇妙な世界。
寺山修司が怪奇な伝説が残る地を旅する話。
風葬大神村
比婆山伝奇
闘犬賤者考
浅草放浪記
裸まつり男歌
タイトルをみただけでも怪奇そうだ。風葬の話。
犬つきの話。イタコの話。土佐闘犬と秋田闘犬の確執の話。
馬と交わる話。
この人の視線や視点はやっぱり独特だ。
しかし、実は全く怪奇ではない。怪奇な伝説も持つ土地の空気を
うまく伝えている。

それにしても俳句はすごい。

あはれ去年(こぞ)の雪いまいずこ

アゴタ・クリストフ、「第三の嘘」
「悪童物語」、「ふたりの嘘」に続く、さ3部作、第3巻だ。
こんどは、双子のうち、故郷を逃れた方の語りから始まる。
戦乱と荒廃の故郷を逃れて、自由の国にいったはずのリュカが
年を経て、故郷に帰り、クラウスをたずねる。
しかし、そんな兄弟は知らないと言われる。
最初の話は、実際にあったのか、2番目の話は本当なのか。
こんどは、クラウスの語りだ。
話はつながっているが、全て事実とは限らない。
何が本当で何が空想なのかわからない。
あいかわらず、シュールで不条理な世界だ。
しかし、面白い。
戦乱の頃のハンガリーってこんな空気を持っていたのかな。

hon081230

毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。