最近夢中で読んだ本、カルロス・ルイス・サフォン

  • 2007年6月5日
  • 2人
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カルロス・ルイス・サフォン 「風の影」
久しぶりに興奮しました。傑作だと思います。文庫本2冊、殆ど一気に読みました。ベストセラーになる理由がわかります。

舞台はバルセロナ。ピカソのゲルニカに象徴されるスペインの暗い時代です。
少年ダニエルが古書店を経営する父に連れられて、「忘れられた本の墓場」に行きます。そこで見つけた一冊の本。
そこから、壮大な物語が始まります。
冒頭から絵になりますね。
見つけた本は、パリで死んだといわれている、スペイン人の作家、「フリアン・カラックス」が書いた「風の影」。カラックスに興味をだいたダニエルはどんどんカラックスの世界に引き入れられて行きます。驚くべき彼の人生、なんという悲劇の恋。それが彼の文学を作っているのか。
フリアンのペネロペの壮絶な恋には恐ろしい秘密が・・、そのうちに、その物語がダニエルとベアトリスの恋に重なっていく。
その恋も又、壮絶な物語に・・。
カラックスとはいったい誰なんでしょう。
ダニエルとベアトリスはどうなっていくんでしょう。
一冊の本の物語が、二人の人生の現実に重なっていく。
複雑な構成もかえって興奮をそそります。
フェルミンという絶妙の脇役を配し、フメロという悪魔的な悪者もいる。本当に、よくできた映画を観るような話でした。
絶対映画になるでしょうね。

kazenokage070605

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