映画、「女工哀歌」

年末に、「女工哀歌」という映画を見た。
中国でよくこんな映画がとれたものだと感心した。
工場主や役所をうまく説得(だます?)しないと絶対とれない世界だと思う。
言論の自由がある国じゃないからねえ。

広東省の珠江デルタ地域一帯は何十年か前に日本や欧米の企業が少しずつ進出を
始めた頃は殆ど草や木ばかりの何もないところだったと聞いている。
その後、「白い猫も黒い猫も、鼠をとる猫は好い猫だ」という改革開放政策が
追い風になって、このあたり一帯は大躍進を遂げた。
中国全土から沢山の人たちが仕事を求めて集まって来た。
昔は、中国国内といいながらも第2国境があってパスポートが必要だった地域でも
今は自由に行き来できるし、どこに行ってもビルが立ち並んで大都会になっている。
道路が整備されて、バスや鉄道など交通網も飛躍的に整備された。
そして、そんな過程の中で、形は違っても小さな女工哀歌のような話は良く聞いたものだ。
こういう事が中国パワーを支える要因の一つになっていたり、グローバル企業が
業績を伸ばすポイントの一つになっていたとしたら悲しいが、
大小似たような話は多分世界中どこにでもあるのだろう。

我々もいつ「つらいめにあわされる側」に立つことになるかもしれない。
現にもうそっちの側にいるのかも知れない。

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毎週木曜は映画や音楽、書画に関する話です。