こないだ揚州、蘇州の旅の話をした。
その時に、上海のあやしい茶城に行った話もした。
実はその茶城に行ったのは二つの目的があったからなのだ。
一つは先週話をした茶缶を探したかったのだが、あと一つは、豊子凱という
画家の記念館のようなものがあると、ネットのはしくれで見つけたからだ。
「そういうモノがあるのなら是非とも行かなきゃならん」と思っていたが、
茶缶を探す、道すがらには目につかない。一階は殆ど隈なく探した。
次は二階だ。茶屋もあるが骨董屋が多い。わけのわからない雑貨屋もある。
怪しいフロアだ。しかし無い。それなら三階に行こう。
「あった」、それは、前に紹介した、更に怪しい骨董屋というか、骨董品
らしきモノを造るおじさんの店だ。木工品や金属工芸品を精巧に加工して
いる。わざと古色をつけてインチキモノを造っているのかどうかはわからない。
骨董らしい、もしくはそれを手本にしたものではあるが、まっとうなモノを
造っているのかもしれない。
「他には」と見回すと、書画の店や骨董の店が沢山あるが、薄暗い。
開いているのか閉まっているのかよくわからない。あまり暗いので閉まって
いるのかと思うと開いていたりする。やっぱりあやしい。
もう少し先に進もう。
「何や書画の店か」と通り過ぎかけて、よく見たら、見たことのある画が
飾られている。豊子凱という人の画だ。
「これが、豊子凱記念館か?」と驚いたが、小さな2部屋だけの簡単な
ショップに記念品も並べているという程度のものだった。
それでも、本物か偽物かわからないなりに画も沢山飾っている。
「本物?」って聞いたら、「本物です」と言いきってたが、「????」
豊子凱の画は大好きだ。
絵本や漫画のようではあるが、きちんと基本をやった人の画ではある。
ほのぼのとした人の温かみが画面に溢れている。
それでいて、時代を見つめる厳しさと哀しさと、更にはユーモアも感じさせる
画なのだ。
「こんな画を描きたい」という目標の一つでもある。
「しっかり勉強しなくては」と画の本を一冊買った。
大事に勉強しよう。
毎週月曜はこだわりのモノの話です。