ツィッターって面白いかな?やってみようかな?って思う事もあるが、面倒そうやし、
今はブログで手一杯だ。しかし、人さまのつぶやきを通行人感覚で垣間見させていただくのは
面白い。友人のツィットだったりその人とつながっているツイットだったりいろいろだ。
そんな中で、映画の情報や本の情報は時に気になるものがあって、それで又世界が広がるから
ありがたい。
先日、そんな中に、張愛玲という人の本があった。
昔読んだ、陳丹燕の「上海メモラビリア」(上海的風花雪月)というエッセイの中に
張愛玲のアパルトマンという文があって、ちょっと詮索好きが出てそこまで行ったことがある。
一時は物見高く訪れる人がいたというが今はそんなことはない、普通の、しかし、ちょっとしゃれた
古風なマンションだった。
それはそれでいいのだが、その時は日本語の翻訳があるなんて考えもしなかった。
「そんな作家がいたのか」という程度だ。その人の名が登場したので驚いて読んで見た。
張愛玲、「傾城の恋」
短編集だ。女性の目で捉えた、革命後から大戦の時期にかけての動乱期に、それぞれの運命に
翻弄される女達の物語りだ。
如何にも中国的な家族第一、面子第一のしがらみの世界は革命が起こって世の中がどんどん
新しくなって行っても根底は変らない。
あわれではあるがたくましい。たくましくはあるが未来があるとはかぎらない。
激動の上海、あるいは香港。
中国の女性達がいる。
それにしても、やはり中国文学、「紅楼夢」の一場面を見るようなところも感じられて面白い。
詩経まで出て来るのも中国の教養か。
・・・・
恋を語るに忙しくて恋をする暇がなかった
至る所に伝奇あり。但し何時もハッピーエンドとは限らない
あかりきらめく夜に寥寥と響く胡弓の調べ。弓さばきもあわただしく奏でるは
語り尽くせぬ心寂しい物語りー問わずともよい。
・・・・
張愛玲、「半生縁(上海の恋)」
これまたすさまじい女の生き方の物語りだ。
読み応えのある長編。
いつまでも信じられると想い続けた男、この愛に変る事はないと信じた女。
それでも革命があり、戦争があった。生きて行くための凄まじい相克がある。
そしていつかあざなえる縄のように人の心もよじれてねじれて信じる相手も愛する相手も
変っていく。
上海の南京の、ごく普通の人達の暮らしが文章のなかから生き生きと立ち上がってくる。
若者は恋を夢見るし、年長者は家や家族が大事だ。
それにしても、姉が妹をあんな凄まじい目にあわすのだろうか。
蒼涼の物語りだ。
人を信じない人が多すぎる。
人を信じるっていったい何なんだろう。
中国の人の価値観の根底には、過去も今も、人と人との信頼よりは、もしかしたら家族、
一族が幸せになることとか面子、体面を保つこととかの方に重きがあるのかもしれない
などとちらりと思ったりもした。
唯の思い違いかもしれないけどね。
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ありがとうございました。