ジョン・アーヴィング、「サーカスの息子(上、下)」
良い本を読んだ。上下2冊、一気に読んでしまった。
舞台はインド、ボンベイ(今のムンバイ)だ。近くのバンガロールへ
何度か行った時の事を思い出すなあ。
アンバサダー、そうそうあの白い車だ。空港に降りたら出迎えのアンバサダーが
ずらっとならんで待っていた。もちろん我らの迎えもアンバサダーだ。
昔、日本に「ヒルマン」って車があったけど、あれにそっくりなスタイルだ。
あんなに古いスタイルが未だに走っているので印象的だった。
古いけど実は好きなスタイルなのだ。
運転するのは小人、元サーカスの芸人だ。
象に足を踏みつぶされたガネーシャはサーカスに入れたのか?
空中を歩く事ができたのか?
元売春宿の少女マドゥのHIVは陽性だった?
陽気でくだらないボリウッド映画、作家ファルークは小人症の研究に身を捧げる医師。
主人公は双子の片割れダー警部。
ダー警部はゲイ? ヒジュラというのは手術して女の体になってしまった男の事。
その手術たるや・・。
そして結局殺人鬼はつかまるのか。
実は、めくるめくサーカスの一日を本にしたような本なのだ。
わくわくして、手にアセを握って、時には笑い、時には涙して
そして快い疲労感とちょっとした喪失感で終わる一幕だ。
「お前の居場所はどこにある?」
「ボンベイ?、トロント?、チューリッヒ?」
「実はどこにも無いんだ」
「サーカスなんだ」
毎週火曜は最近夢中で読んだ本の話です。