最近読んだ本、「AX」、「ペナンブラ氏の24時間書店」

  • 2018年3月10日
  • 3人

伊坂幸太郎、「AX」
兜は某文具メーカーに務める平凡なサラリーマンである。奥さんと子どもを大事にする、
と言うより恐妻家と言ってもよい、奥さんに頭が上がらない日々だ。
それはなぜか。兜にはもう一つの顔があるようだ。
その顔で時々ある診療所に行く。内密の診断があるようなのだ。その診断とは、病気の
特定、治療のふりをしてある処方箋を渡される。実はそれは殺人の指示なのだ。
彼のもう一つの顔とは金をもらって人を殺す、殺し屋なのだ。
そんな暮らしを兜はだんだん疎ましく思い始めたのではないのか?
悪いヤツ、世に害毒をもたらすやつを消すしごとだけ請け負うなんて態度をとって
いても所詮殺しは殺し、足を洗いたくなったんではないか?
足を洗うには相当の金が必要らしい。
その金を稼ぐには仕事を続けるしかない?
断ち切れない連鎖が重い。
そんな兜にも時々友達ができる。出来てはならないのが友達かもしれない。
深夜に仕事を終えて疲れ切って帰ったら時々ひもじいときがある。
そんな時できるだけ音をたてずに腹を満たす方法は何か?
それは魚肉ソーセージを食うことだ。そんな事を教えあえると友達なのか?
そして、だんだんと意外な展開が始まる。
もしかしたら同業者と仕事の上でなにかあぶないことになってきたのか?
ここから抜け出すにはどうしたらいいのか?
そして驚くべき展開が始まる?
さて、兜はどうなるのか・
妻や子はどうなるのか?
医者の正体は?
誰が味方で誰が敵なのか?
とても面白い。

ロビン・スローン、「ペナンブラ氏の24時間書店」
クレイ・シャノンは気が付いたら失業してしまっていた。そうなってみれば
なかなか職にありつけない。諦めかけてた時に不思議な書店の夜間交代要員で
よければと採用された。
とても不思議な書店だ。
高い高い天井の上までびっしり本があるようなのに何の本かわからない。そして
決して中を見てはいけないとエイジャックス店長に釘をされれている。そんな本、
一体誰が買いにくるんや?
他に本は無いわけではない。けどそれとて超マニアックな本だ。買いに来る人は
ほとんどいない。ではお客はいないのか?
時々、わけのわからんひとが買いに来る。というか何か秘密結社みたいな感じの
人がその秘密の本を買いにというより取りにくるようなのだ。
何故? 何の為に?
かなり妖しい。ある日、好奇心で我慢できなくなってクレイはとうとう中を
見てしまう。それでも何もわからない。何か暗号のような、謎解きをしないと
いけないみたいだ。
友達の力を借りよう。
ガールフレンドの力を借りよう。
どうも何百年か前に創り出された活字に関係がありそうなのか?
ガールフレンドのキャットはグーグル社のエリート集団の中にいる。
彼らの力を借りれないのか?
そして、少しずつ事態は展開し始める。
おっぱいを世界一綺麗に表現できるソフトを開発して億万長者になっている友達も
力を貸してくれた。
事態は核心にせまってきたのか?
本屋の秘密はなんだったのか?
彼らの結社の目的は何だったのか?
電子の世界と活字の世界、デジタルとアナログの世界が入れ混じってとても面白い。
荒唐無稽でもあるが楽しくもある。

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