最近読んだ本、「鳥獣戯画」、「ケンブリッジ帰りの文士 吉田健一」

  • 2018年2月6日
  • 4人

磯崎憲一郎、「鳥獣戯画」
題名を見て飛びついた。なになに、あの「鳥獣戯画」にまつわる秘話、裏話が小説に
なってるんやろか? 新しい事実が浮かび上がってきたか? あらたな解釈が提示される
のか?
期待に胸を膨らませながら読んでいった。
???
ちょっとちゃう? かなりちゃう?
確かに高山寺が出てくる。神護寺も出てくる。
けど。
私は、28年の会社員生活を終えることにした。今日がその日だ。こんな日には
それにふさわしいある女性と会って話をしたいわけがある。
幼馴染。特別な思い出がある。はずだ。
しかし、待てど暮せど彼女は現れない。そんなとき、とても美しい女声に声をかけられた。
わたしを知ってるという。
そして2人は一緒に京都へ。
これほど美しい女性にも屈折した過去がある。
果たしてこれからどう展開するのか?
幼馴染はどうなるのか?
明恵上人登場。
どうやら和歌山、湯浅のあたりの人らしい。これにも興味あり。
そして高山寺の修行の時代。文覚上人との出会い。
修行の苦しさ。生きることの哀しみ。

語りの力で、何者にもなりえ、何処へでも行ける。
ということらしいけど、わしの理解不足で語りの力になかなか惹き込まれなかった
ような気がする。修行がたりんなあ。
それなりの恋愛小説とみたらわかりやすいかも。

角地幸男、「ケンブリッジ帰りの文士 吉田健一」
吉田健一の「東京の昔」とか「三文紳士」とかを読んだ事がある。とても素晴らしい。
知性のかたまりのようだ。圧倒される。
軽妙洒脱でありながら無駄な言葉は一切ない。冷徹なようで豪放磊落でもある。
とてもいい。読んでて嬉しくなる。
そういう人の人となりや生き様などが英国の、ケンブリッジの暮らしを通して
明らかになっていく。小さいときからの英語環境での日常からくるのか、それとも
独特の知性のきらめきからなのか、それともケンブリッジでの学究のなかからなのか
彼の文学世界の根源が覗かれていく。
そしてなぜ突然、ケンブリッジの暮らしを打ち切ったのか?
いろいろとよんでいると、又、吉田健一の本が読みたくなった。
「乞食王子」とか、「金沢・酒宴」とかを読んでみたい。

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ありがとうございました。