最近読んだ本、「ブラインド・マッサージ」、「獄中記」

  • 2016年12月3日
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畢飛宇、「ブラインド・マッサージ」
とても面白い本だった。一気に読んでしまった。
本の表紙を見ると、ちょっとエッチな感じがして期待したんやけどその方面
での展開は全くなくて、もっと人の世の紆余曲折を彩り濃く描いた小説であった。
よこしまな先入観はいけませんなあ。
その名の通り、盲人マッサージの世界の話である。
中国にはよく旅行するし、以前、旅行してたときにはよくマッサージに行ってた。
今でもそうやけど、わしは肩が凝る。性格が悪いせいもあるけど姿勢も悪い。
前かがみで暮らして、前かがみでパソコンを眺め、前かがみで本を読んでる。
寝る時以外はほとんど前かがみかもしれん。そやから自然と体が固まって、肩や
腰が凝ってくる。どうしょうもない。
てなことで、マッサージ代が安い中国や東南アジアに行ったときは好んでマッサージ店
に行くことになるのだ。一度や二度マッサージをしたからと言って凝りが治る訳では
ない、けど綺麗なお姉さんに優しく揉みほぐしてもらうとついついええ気持ちに
なって全てがどうでもよくなってしまう。
そして、時には盲人マッサージがよう効くということを聞いて行ってみることが
ある。これは、ええ。とてもよく効く。指の動きが強くてツボを的確に捉えるて
ぐいぐい押してくる。痛いくらいではあるけど、後で効いたなあって実感が残る。
手練の技だ。
王先生も盲人で、そういう技の持ち主だ。
先生というのは中国語では○○さんというほどの意味で、教師という意味ではない。
そういう意味では老師という言葉が使われる。王先生は自分の技に自信がある。
遠からずこの道で自立できるという意欲がある。彼女もできた。後は金だ。
故郷に帰ってマッサージ店を開くのだ。彼女が店長だ。急いでお金を貯めなければ。
で、株に手をだす。とたんに大暴落、あっというまに大金がするりと抜け落ちた。
しかたなく彼女を連れて故郷に帰り、幼馴染の沙復明 とその友人が経営する
マッサージ店に雇ってもらうことに。
盲人たちの集団生活が始まる。愛あり、憎しみあり、嫉妬や妬みあり、助け合いあり、
様々な悲劇、喜劇の中からマッサージ店の日常が生き生きとした描写の中で立ち上がる。
盲人の暮らし、中国の地方都市の暮らし、様々な人間模様が蠢いてとても面白い。
紅楼夢の世界って中国では誰でも知ってるんやね。

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ジェフリー・アーチャー、「獄中記 地獄編、煉獄編」
この作家の本、「百万ドルを取り返せ」、「ゴッホは欺く」を読んだことがある
けど、素晴らしく面白かった。それで、これもどんだけ面白いんやろと随分期待
して読み始めた。
小説やと思ったらノンフィクションだった。有名作家にして英国下院議員の
ジェフリー・アーチャーは冤罪か何かはようわからんけど罪に問われて実刑判決
を受ける。その瞬間から入獄の様子、獄中の様子をつぶさにレポートしているのが
刑務所暮らしの日常がとても興味深い。
けど、ワクワクするような疾走感のある小説に比べて、なぜかいまひとつ入って
いけない。わしの読み込みが不足なんやろけど、簡単い言えば面白くない。
そのわりには長い。
ということでいささか残念な読後感となってしまった。

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ありがとうございました。