中国、湖南省、貴州省、少数民族の旅-05、君山島へ船で渡る。

昼飯をお腹いっぱい食ったら眠くなった。眠くなって動くのは不機嫌の元だ。
しかし、これから船に乗る。洞庭湖には君山島というのがあって、岳陽楼の丁度
向かい側にある。君山島は有名な銀針茶の産地でゆるい発酵の黄茶と呼ばれる
種類に属して繊細な味と香りで珍重される高級茶という話なんやけど、最近は
中国でお茶を買おうという意欲がかなり減退してるんで今回もあんまり食指は
動かへん。島に行くには船で行くのがメインなんやけど乾季になると、島まで
渡る道が現れるんで車で行くこともできる。前回来た時は車で行ったんやけど
今は水が多くてその道も水没してるのだそうだ。
ということで船に乗るには桟橋までいかんとあかん。

このまままっすぐ歩いて行った奥の左手の方に船乗り場があるのだ。船が来るまで
まだ時間がある。川風はあるけど結構暑い。あんまり動く気がしいへんけど、
座るとこもない。うんざりしながら川を見てる。

目の前では浚渫船が動いている。
かなり待って船が来た。わしらだけではない。いろんなグループが乗り込む。結構
満員になった。この船で行ってこの船で帰るしかないようだ。そのわりには行く人、
帰る人のチェックなんかあんまりしてない。うまいこと分散してたらええけど集中したら
トラブルが出るんとちゃうやろかとちと気になる。
案の定帰りはえらいトラブルになった。けど今の時点ではわからへん。座ったけど
座席が低いんであんまり外が見えへん。何となく観光船ぽくないなあって思いつつ
うつらうつらする。窓の外はただ湖の水がぼやっとしてるだけ、

時々、メコン川やアジアの川で見るようにホテイアオイが漂っている。
30、40分乗ってやっと対岸に着いた。指呼の間に見えるという距離ではないようだ。
着いたらすぐに巡回式の電気自動車に乗れるようになってる。観光ポイント目指して
思い思いに乗っていけばええらしい。

しかし、なんとなく景色をみながらがっかり感が漂う。

こんなはずではなかった。前に来た時もたしかに島の中には大したもんはなかった
けど岸辺にでると葦が生えて風がそよいでそれなりに絵心をそそるような鄙びた
浜の風景があった。そういうのが全く見当たらへん。
今の季節、そういうところは水没しているのだそうだ。
しかたない、もう帰ろう。それに時間も帰る予定の時間が近づいてる。
おや岸辺で妖しい船が、

何をしてはるんやろ?
ガイドさんがあんまり近づいて写真をとったらあかんという。

何は妖しい探しモンをしてるんかもしれん。
ともかくがっかり気分で船まで戻った。又、何やら騒がしい。もう既に船には
満員の人が乗ってて、わしらは乗られへんと言う。そんなアホな、来た時に帰る
時間まで指定されて帰りの予約ができてるはずだ。これに乗れへんかったら、この
船が行って帰ってやから1時間半ほど出発が遅くなる。そんなんええよええよって
笑って待ってられへん。
勿論ガイドさんも猛烈に抗議してる。困ったなあこのままやったら、2時間以上の
遅れになるんで後の行程にも困った影響がある。船の係員と現地ガイドさんとの
押し問答が続いてる。そのうち、とにかく乗れということになった。わしらは狭い
通路の中を入っていく。こんな状態でも席に荷物をおいたり間を開けて座ってる人も
いてそれなりに入り込めたけどまだ足りへん。とうとう運転室まで入り込んで
床にべったり座らされる始末だ。勿論通路もいっぱいだ。
それで出発やって。
こんなんまるっきり定員オーバーもええとこや。
乗れんかったら勿論困るけど、こんな解決法もええことない。
相変わらずこの国はこんなことが多い。ステレオタイプに決めつけるわけでは
ないけど堪忍してくれって思うことが多いなあ。

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ありがとうございました。