生まれて初めて個展をやってみた−01

水墨画を勉強し始めて丁度10年たった。一つの区切りを勝手に迎えたと言うことに
してみよう。中国人の先生からも離れて自己流路線だけになってしまった。ちょっと
不安になったり、寂しくなったりするかなって思ったけどそんな事は全くない。
引っ張られるものがなくなって返ってスッキリした感じだ。それならばもう少し
欲をだして、個展でもやってみようかと思った。
どうせやるならええ場所にしたい。しかしええ場所は高い。予算は抑えとかんと
年金生活にこたえる。根気よく探そう。ということで道頓堀のとても賑やかなあたり
「松竹座」と「はり重」の真ん前で比較的コストパフォーマンスが良さそうな所を
見つけた。
とりあえずここでやろう。
不安で一杯の個展6日間が始まった。

画廊の一日ってどんなんやろ。
とても暇だ。予想通り殆どお客さんはこない。もちろん時々知り合いが来てくれる。
知らん人は殆ど来ない。
表通りは知らん人が一杯通ってる。見てて全く飽きないほどだ。中国人らしき人たち、
台湾人らしき人達、韓国人らしき人達、タイ?、マレーシア?インドネシア?
ようわからんけど外国の人達が80%いや90%以上も占めるんとちゃうやろか?
そういう人達は全く入って来ない。玄関先まで来たなって思ったら隣のお好み焼きの
動く大看板を写真に撮りにきてるのだ。興味すら示さない。
まあそれは当たり前だ。
おや、誰か入って来た。
入り口入って直ぐのカウンターにこの画廊あるいは近辺、あるいは有名画廊の
個展案内の葉書が各種積み上げられてるのを最新版はないかとチェックして持って
帰りはるのだ。
ただそれだけ、入ったんやからちょっとぐらい見てくれやと思ってもさっさと
出て行きはる。いや、ちょっとだけ見る振りをして出て行くひともいてる。

そうかと思うと、葉書狙いには違いないものの一旦座り込んで、気を効かせて
お茶などだすと、じっくり話しこんでいつまで経っても喋ってはる人もいてる。
寂しいんかなあ、孤独なんかなあ。

そうかと思うと、何となく美術のことや個展の事を良く知ってはって、結構適切な
指摘もされてはっとすることもあるようなギャラリー通の方も来られるときがある。
面白いなあ、人間模様やなあ。

そうかと思うと、何となく話をするようで、御菓子を食べるのに気がいっている。
こっちがヨソミをするとさっと御菓子をポケットなどに入れはる。御菓子目当ての
人もいてはる。
そう言う人は実は結構多い。
これもまた、賤しいというよりは孤独なんやろなあって思う。

そうかと思うと、わしの絵はろくに見やんと、自分の自慢ばっかりしていく人も
いてはる。最初は面白いなあいろんな人生があるんやなあって聞いてるけど、だんだん
空しくなる。

こんな大都会で、人がざわめく喧噪の真っ只中で、こんな孤独な姿の人間模様を
まざまざと垣間見るとは思わなんだ。

暇やけどちょっと哀しい。
こんな主題で絵に描いてみたくもあるけど、もっと観察が必要かも。

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ありがとうございました。