映画、「百日告別」を見た

シンミンは結婚の直前に婚約者を突然交通事故で亡くした。
ユーウェイは妊娠中の愛する妻と一緒にドライブしていて事故に遭った。
人の一生には何回か、悲しみにうちひしがれて慟哭がとまらへんようなそんな
事態に出会うことがあると思う。あまりの耐えがたさにとうとうその人の人生が
壊れてしまって、周りも含めて取り返しのつかへんことになってしまった人も
見たことがあるけど、それはごく限られている。殆どの人が、 すこしずつ、それと
向き合って、受け入れていくんやと思う。
シンミンはどうやろう。
愛する人を突然失った悲しみは消えるはずがない。泣きの涙の毎日だ。
自殺を考えたこともある。
しかし、とうとうある日、新婚旅行で一緒に行くはずだった沖縄グルメ旅に出発する。
沖縄はええですなあ。台湾人の監督の沖縄や日本を見る目の優しさを感じる。
素晴らしい旅だ。
悲しみは癒えるわけはないやろうけどステージが少し変わってきたんではなかろうか。
ユーウェイはどうやろう。
悲しみに溺れやけっぱちの毎日だ。 呑んだくれて喧嘩をすることもある。
しかし、ある日、妻がピアノを教えていた生徒達に中途で終わった授業料を
返しに回り始めた。 高雄の街だ。
この街は、何の変哲もない台湾の普通の都市やけどどこか優しい佇まいがある。
穏やかなええ街やと思う。映し方が上手いんやろなあ。
やがて妻が弾いていたショパンのエチュードの美しさに気がつく。 心に沁み入る
曲ではないか。
彼も少しステージが変わったんではなかろうか。
物語では、穏やかにものごとが進んで行く。
少しずつ何気ない穏やかな変化を通して、日常生活に包まれていき、癒やされて行く
その過程が、その風景とともに好ましく見える。
ええですなあ。台湾に又行きたくなってきた。
日本でも仏式のお葬式が殆どだ。
基本は7日毎に色んな儀式がある。死んでも死にきれない亡者が、家族の元に
帰りたがる。それでも泣く泣く三途の川を渡る。いろんな試練を経てやっと
極楽に落ち着く。そういう死後のステージをこの世の人が見守っていくのだ。
それが本当かどうかは誰も確かめた人はいない。それをどう考えるか別にして、
その行事の忙しさにむしろ救われることもある。
あるいは、それをきっかけに心の中の悲しみのステージが変わっていく、あるいは
時間に癒やされていく、そんなこんな事を考えると、仏教ってようできてるわって
思ったりする。
そして百日が来たころ、涙とはおさらばするのだ。

eiga170412

映画を見ててちょっとだけ気になったのは、映画の言語がすごい綺麗な中国の
「普通語」だったことだ。沖縄では沖縄の言葉で喋る、ほんまもんの言葉かどうかは
わしにはわからんけど、おばあちゃんがとてもよかったんで、台湾語で話をする
ような台湾映画ができたらええなあって思ったりした。

穏やかで優しい、心和やかになる映画やと思う。

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ありがとうございました。