映画、「誰も知らない建築の話」を見た

昔、現役で仕事をしてた頃、偶に東京出張に行くことがあった。と言うても首
都圏で仕事なんてカッコええもんと違て、そこから又近郊の都市まで移動する
ような話だった。東京なんて滅多に行かれへんからついでにどっかに寄って見
たい。美術館なんかも仰山あるやんかと思い、時間があればええなあと言うよ
りは無理やり時間を作って行きか帰りかにちょっと寄り道するのを楽しみにし
ていた。そういう時は地下鉄の浅草で乗り換えると東武線経由で出張先に行け
るのでその辺りを乗り換えの為の急ぎ足で歩いていたのだった。ある日、ふと
川辺りの方を見ると天空に金色の大きなウンコが浮かんでいる(実際は雲のつ
もりなんやろね)のを見て仰天した。ビルの屋上を飾るモニュメントなんやろ
けど、さすが東京や懐が深いなあって感心して、目に焼き付いてしまった。そ
れからはそこを通る度に目で探すようにすらなったのだった。
これがこの映画と結びついた。一体何やねんとびっくりしたやつが実は日本の
近代建築を語る有名な代表の一つやったんかもしれん。ポストモダンの象徴か
バブルの夢の成れの果てなのか。
内外の高名らしき建築家が出てきていろんな意見を喋っていく。
・・社会に貢献しながら同時に野心的な建築を作り続けたい・・
・・テクノクラートになるのか、アーティストになるのか?・・
・・古いものを再利用しながら新しい世界を作る・・
・・建築家なんてちっぽけな存在だ・・
・・小さい住宅でも世界にアピールできるんだ・・
・・日本という場所が建築家にとって一番面白いと考えていた・・
・・云々かんぬん・・・・。
紳士的なようでしっかり悪口やったり言葉のバトルを見てるようでとても面白い。
この映画を見ていて改めて建築って何やろ?建築家って何やろ?って考えた。
建築も建築家も出来てなんぼの世界やと思う。
出来てないものに評価はもらえない。
ええもん作ろ思たらお金がかかる。
大きな組織に属さなあかんのか?
有名にならんとあかんのか?
よくある話。なんとなくうさんくさい世界へ入っていきそうや。
東京オリンピックの競技場の話もようわからへん。いつまで経っても納得いか
へん。うさんくさい。
わしは役割が違うんやって言うてはった某有名な建築家がいたけど、それなら
何を期待されてると思ってあの席に居てはったんやろ?
言うべき時には言うべき事を言っておいて欲しいと思った。
この映画でもいろんな人のいろんな思惑が階間見えておもしろい。
今の時代の空気が今の時代の建物を作っていくんやろけど、わしらはどんな空気
を吸ってるんやろ。あんまり希望に満ちてるとは言われへん気がする。
壮大な処理できへんゴミを作ってるだけとちゃうんやろか。
役割を終えた頃、風景になっていける建物って少なくなっていってる気がする。
素人なりにいろいろ考える映画であったような気がした。

eiga150813

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ありがとうございました。