久し振りに東洋陶磁美術館に行った

東洋陶磁美術館がえらいことになってるらしい。地下鉄で見たポスターには、
「人類史上最高のやきもの、海外初公開、初来日」と書いてある。
まさか、もしやと思って詳しく見てみると、台北にある国立故旧博物院にある
中国北宋汝窯のかの有名な「青磁水仙盆」が展示されるらしい。
台北の故旧博物院には何度も行ったけど、そしてチャンスがあれば見たいモノは
一杯あるんやけど、こういうモノは出た試しがない。「青磁水仙盆」の一つは
東洋陶磁美術館に前からあってこれは出し惜しみしやんと殆どいつも展示してるんで
機会があれば目の保養をさせて頂いてた。「雨後青」とか「雨過天晴」とか言う
表現で、雨上がりの晴れてるようなぼんやりしてるような何とも言えない空の
色のようだと言うのだそうだ。本当かどうかはわからんけど、昔、宋の皇帝が
青磁でこの色を出させることに狂ってしまって国力を傾けるほどだったんで、
結局、異民族の金という国に滅ぼされてしまったと言う。まあそれほどの魅力
と魔力を持っているということなんやろか?
そういえば、10年程前に中国の鈞窯とか汝窯のあったあたりを通り過ぎた事が
ある。詳しく調べて行ったわけやないんで状況はわからへんけど陶磁器屋さんは
今でもあった。しかし、博物館で見るような風情のある清楚なモンは全く無くて
ギラギラしたようないかにもというようなモンを売っていた。なるほど、もう
世の中は変わってしもたんやしかたない。
それはええけど、そんなすごいもんが見れるんやったら行かんとあかんではないか。

jiki170303

まず、やっぱり目玉の「青磁水仙盆」から見始める。
すごいなあ。天下の名品が一同に会するするとそれはもうの迫力がある。
天青色の極み、人類史上最高のやきもの、無銘の帝王、いやいや素晴らしい存在感
に溢れている。乾隆帝が作らせたという台や帝自身の添え書きみたいなのも素晴らしい。
やっぱり帝王の愛玩物なんやね。
青みがかった灰白色の奥に目に見えない無数の色合いが隠されているような深み
があっていつまでも見ていて飽きることがない。こういう物が世の中にたった
これだけしかないとなるとこれを創り出した人達の執念やら怨念すら漂っている
かのように思える。

その後はやっぱり大阪が世界に誇る東洋陶磁のコレクションを久し振りに見せて
頂く。
何と言うても李朝、朝鮮陶磁のコレクションがすばらしい。何回見ても見飽きない。
中国官窯には無い自由さや大らかさが感じられてとてもいい。微妙な形のゆがみ
や傾きが反って躍動感を一杯に現している。それに絵付けの絵の素晴らしい事、
素朴で大胆で自由自在でしかも凜としている。素晴らしいコレクションやと思う。
やっぱり東洋陶磁美術館は大阪の誇りやと思う。
さすがと言うかやっぱりと言うか、こういうところにも外国人の観光客が来て
はる。今回の企画に惹かれてきたのか、陶磁器に興味があるのか、中国語系の
人が多いみたい。いろんな国の人たちに知られていくのは嬉しい事だと思う。

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ありがとうございました。