MIHO美術館へ「若冲と蕪村」展を見に行った

MIHO美術館で、伊藤若冲と与謝蕪村の展覧会をやっていると聞いた。今回は、
この2人の絵師が同い年だったという事と、ごく近所に住んでいたという事が
テーマになっているらしい。そう言われてみればそうかもしれんとは思うけど
そういう風に意識して比べた事は無かった。どちらもわしの大好きな画家なん
で何度も展覧会には行っている。多分、忘れたことはあっても初めて見る絵は
ないと思うけどやっぱり見てみたい。

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しかし、MIHO美術館というとちょっとたじろぐ。えらい遠いのだ。しかもアクセル
がとても悪い。車で山の中をぐるぐる走らんとあかん。面倒くさいなあって思う。
それなら、電車で行ってみたらどうやろ。石山駅からバスが出てるらしい。
これなら少々時間はかかるけど簡単やんかと思う。
朝早くの新快速は通勤ラッシュの始まり頃だ。大阪駅で2、3番目に並んでい
たけど座れへんとがっかりしてたら新大阪駅でかなりの席があいて座れた。
歳をとるとありがたい。石山駅までは1時間かからないほどだ。南口を降りて、
階段を降りるとすぐにバス停がある。MIHO美術館行きは3番線で待つらしい。
1番は9:10発。10時の開場に合わせてる。
暫くすると結構行列が出来始めた。あたりをデジカメで撮影してる人がいてる。
ようみたら中国の人だ。こんなとこまで観光に来てはる。すごいなあ。
9時に臨時バスがきて皆さんそれに乗り込む。
この日は天気が悪い。関西線が不通になってたから奈良の方は大雨かも知れん。
こっちも影響あるんやろか。

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バスは順調に走り始めた。車内に親切なおばちゃんがいて、さかんに中国人に
アドバイスしてる。片言の英語やけどこういう積極性がうらやましい。
「これが瀬田の唐橋やで」ってガイドまで始めた。おきまりの飴ちゃんも渡し
てる。
山道に入って雨がひどくなってきた。川が溢れそうなほど増水してる。大丈夫
なんかいな。帰れんようになったらどうしょうと不安がよぎる。土砂崩れなん
かを警戒してるらしき人達もいてる。工事もしてはる。
道もせまくなってきて、すれ違いがだんだんきつくなってきた。向こうから
工事のダンプがくる。とうとう両方動けなくなった。運転手が雨の中出て行っ
て整理を始める。いったん後ろの小型車を通してしまって、ダンプがちょっと
だけ広いとこまで戻り、ちびちびとすれ違い始める。な
なんとか行けた。
あのおばちゃんはえらい興奮して拍手をし始めた。
気持ちはわかるけどちょっと疲れる。
ここからは順調。あやしい道路をみながらもう少し山道を走って着いた。

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車で来んでよかった。乗ってるだけでも結構疲れた。
さて、肝心の展覧会はどうなんやろ。
朝一番で来てよかった。人は少なくはないがゆっくり見れる程度だ。だんだん
人が増えてきて3回まわって帰るころにはゆっくりは見れないほどの人だった。
わしにはやっぱり与謝蕪村が良い。
ちっちゃい可愛い犬が遊ぶ足下の野の草の描きわけがすばらしい。
風にそよぐ柳の風情がとてもいい。濃淡、粗密、強弱、大小、基本的な描き分
けがきちんとされている。
洒脱な人物が面白い。一息で描いたかに見える服の線や手足、顔立ちなどどの
線も生き生きして味がある。しかも、中国で習ったような筆遣いが基本として
ちゃんとある。
山水も素晴らしい。中国画の手法を取り入れながら自分流がしっかりある。
描き過ぎないで省略する感覚が日本人的で好感が持てる。
若冲もすごい。
奇想の画家と言われるだけあって、どうしてこういう発想ができるんやと思う
鋭い切り取りと構図がある。
これほどの画力がなかったら絵にならんやろうにと思ってしまうほどだ。何で
こんなに上手なんやろと思う。発想も技術もすごすぎる。
でもやっぱり蕪村が好きやなあ。
帰りのバスは順調。奇想のおばちゃんも居てはらへんかったし、増水も無かった
し、雨も上がってきた。

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ありがとうございました。