映画、「ヴィーナス」を見ました。
この映画を見た、ほとんどの老年の男は、「俺だったらああはしない、もっとうまくやる」、
とか「気持ちはわかるけどあそこまでしない」とか言うと思います。
でもやっぱり、皆、実際はああいった浅ましい妄執は持っているし、
知ってか知らずか、バカなこともきっとやっています。
私なんか、そういうあさましさの塊だなと思いました。
メッチャうまい俳優が、そういう男の浅ましさをうまく演じています。
でも、それが何だと最後は思ってしまいました。
訴えかけるものが乏しいです。
谷崎潤一郎の耽溺の世界とかあったほうがまだ分かり易いのですが。
さもしいスケベ心だけではみっともないだけです。
ピーター・オツール、年とっても姿がいいですね。
あの友人の男性と踊る姿がとてもかっこよかったです。
アラビアのロレンスでも、そういう役どころをやっていましたが、
今回も本当の興味はあっちの方だったというのなら、
もしそうだったら、それは、シュールですね。
それだったら、すごい映画だと思います。
あの年で、有名人の役で、それにしては、女性を触るのは、すごーく不器用だったけど、
男を抱き寄せるのは、すごーく自然でうまかった。
毎週木曜は、映画、音楽、書画に関する話です。