今年も手描きの扇子を創った

今年も夏が来た。えらく暑い。夏は暑いのは当たり前だが、来てみるとやっぱり暑い。
いつもいつも、「毎年暑なるばっかりや、腹立つなあ」と思うが、きっと温度は
それほど大きな差はなくて、がまんできる体力が年々衰えてきているのだろう。
エアコンなしで暮らしていた時代もあったのだ。今から思えば考えられない。
7月も初めの頃は、「出来るだけエアコンつかわんぞ」と頑張ってくらしていたが
「もうがまんできへん」のだ。
ちょっと動いたら汗が噴き出す。まあ、どこに行ってもたいていエアコンがあるから
しばらくしたら汗が収まってくるが、時には団扇や扇子がないと我慢できないこともある。
「そろそろ扇子の季節や」と思ったが、実は扇子がない。
つい先日、親しい友人にあげてしまったのだ。自分で描いた画の扇子だったので貰って
もらえたらこれは嬉しい事だ。
そうなると、又、創らないといけない。
早速描こう。前は、有名な人の画の一部を模写した。それはそれで楽しいし、気に入って
いたが、今度は自前で画面も考えてみよう。
それで雲南に旅した時の棚田の事を想い出した。
諸国一見の旅の絵師が中国は雲南を彷徨って、遥か棚田を眺めている画だ。
「うん、なかなかいい」
自分で行っていればせわはない。
裏に詩を書こう。これは自前ではまだ難しい。
それでは李白を頂こう。
「春日独酌」というやつだ。

東風 淑気を扇ぎ 水木 春暉に栄ゆ
白日 緑草を照らし 落花 散じて且つ飛ぶ
孤雲 空山に還り 衆鳥 各々已に帰る
彼物皆 託する有り 吾生 独り依る無
此の石上の月に対し 長歌して芳菲に酔はん
中華飲酒詩選ー青木青児著より

書いていると気持ちよく酔っ払ってきたわい。

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毎週月曜はこだわりのモノの話です。