ちょっと前になるが、画の老師にさそわれて、
「和歌山に行かへんか」
「ええですよ。何があるんですか?」
和歌山にも昔からの画の教室があるのだ。
今回は、○○と△△と□□と××と・・・・といろいろ兼ねて懇親会やるんや。
「えらいいろいろ混ざってますなあ」
まあ、いつもお互いに適当やから御題目はどうでもいい。
「場所は?」と聞くと、粉河だという。
「懐かしいなあ」私は和歌山出身だから粉河は何度も来た事がある。
一旦和歌山駅まできて、そこから和歌山線に乗り換えるのだ。紀ノ川に沿って上って行く。
いまだに単線の長閑な列車だ。
「けっこう時間かかりますなあ」、「40分くらいかかるで」
龍門山が見えてきた。
このあたりでは姿のいい大きな山だ。今はあまりみないが、一時期はハンググライダーの
名所であった。確か世界大会なんかも開かれたと思う。
その時事故があって死人もでたのでだんだんすたれて来たのだろう。
その後はパラグライダーだった。いつもこのあたりを通ると空からハンググライダーやら
パラグライダーやらいろんなものがふわふわ降りてきたものだった。
もっと昔の想い出がある。高校時代だ。
友達と変に粋がって、「遠足なんかさぼろうで」、「そんなんできるんか?」
「やったらええやんか」、「わかった、どこへ行く?」大した事も想いつかず
「龍門山でも行くか?」
かわいいもんだ。内緒でミカンをもいでたべた。
この駅をおりると思わずにやりとした。