篆刻と水墨画のコラボをやってみた

篆刻も水墨画も勉強はしてるもののなかなか上手にならへん。しかし、どっちも
だんだん自己流がきつくなってきた。誰がみてもこれはあんたやってすぐに分かる
らしい。よく言えば個性が出て来たんやろけど悪く言えば自己流でしかできへん
と言うことだ。しかしまあそれでもええやんかと思いながらやっている。
で、どんどん自己流に入っていくわけやけど、篆刻と水墨画は関係がないようで
大いに関係がある。水墨画には雅号などの落款印を押すし、それだけやなくて
いろんな印を気分によって押すことがある。成語印や遊印と言われるやつだ。
そやけど、絵を描いたらそれにぴったりの印があるって事はめったにないし、
ある印に合わせて絵を描くわけにもいかん。
余白が余って印でも押したい時にちょうどいい印がない場合が多い。
今回は印を先に作った。そして、その場面を表す様な絵を描いてみた。
こんなのも面白いかと思うのだ。
その1

in161108-1

印は「賣薬爺」。薬を売る爺さんだ。昔、「売茶翁」という有名な人がいる。
江戸時代、あえて禅を捨ててお茶を売る道を選んだ人がいるらしい。伊藤若冲や
富岡鉄斎などが絵にしてる人だ。そんな大それた課題を印にするわけにはいかん
ので、雰囲気だけちょっとパクって「賣薬爺」としたのだ。
それに合わせて絵を描いてみるとこうなった。
そこに絵の内容を表す画賛をつける。
よくあるように漢文や漢詩で賛を書くのはおもろない。それで次の様な情景
描写として。わしが実際にデリーの街角で
「インドのデリーの裏町の街角で薬を売る爺さんが居た
物憂げに眉を顰め貧しげな人達に妖しげな膏薬を葉っぱに包んで
渡している
暑い風がビュッと吹いた」
他愛もないけどまあおもろいではないか。
その2

in161108-2
印は
「孤舟蓑笠翁 独釣寒江雪」
柳宗元の有名な「江雪」という漢詩のサビの部分をとったものだ。
実に様々な人が絵にしてる。
わしも絵に描いて見た。
賛は詩の全文、
千里鳥飛ぶこと絶え
万径 人蹤滅す
孤舟 蓑笠の翁
独り寒江の雪に釣る
とまあこういうわけだ。
この賛も何か気の利いた現代文に仕立ててみたいなあとは思う。

しかし、印も絵も上手にならへんけど、字もあかんなあって改めて
思った。
たまにはこういう遊びも面白い。

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ありがとうございました。