最近読んだ本、「新宿物語’70」、「濃い味、うす味、街の味」

  • 2016年10月28日
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高部努、「新宿物語’70」
ハハハハハ、まるでわしらの青春時代やないか。
わしらかってヒッチハイク行ったぞ。九州から神戸まで、時には乗せて貰った
上にご飯まで食べさせてもらって、時にはもうおろしてくれって叫びたくなる
ような運転で、時には旅の話相手にと、皆さんとても親切だった。
学生時代を過ごした街には香具師やらチンピラヤクザ、いろんな人たちがいた。
まあ、そんな人達はどこでもいるんやけど何故か学生でぶらぶらしてると接点
が増えるらしい。
ある日、例によって徹夜麻雀あけで街をボーっと歩いてると、怪しげなチンピラ
風の若者に呼び止められて、兄ちゃんたち茶あおごったるわと喫茶店に連れ込まれ
なんやらしゃべってるうちに、わしにまかしとけやらしたるわなんてけったいな
話になってきたんで這う這うの体で逃げ出した。
ある日、窓から助けを呼ぶ女性の声がして逃げ出して来たその女性を朝までかくまった
こともある。幸い皆で麻雀してたから怖い物はない。
その頃は浅田哲也の麻雀放浪記が流行っていて、真似するわけではなくても、影響
されてくらしてたのは確かだ。実力もお金もないのに知らない人達と徹夜で麻雀
を打って、いかさまされたことすらわからんで後で気がつくということがあっても、
慣れればいつかはいかさまなんかせんでも勝てるようになったと思えることもあった。
なんであんなに朝から晩まで麻雀ばっかりできたんやろ?
あんまり苦い想い出はないけど時間だけは飛ぶように過ぎ去った。
この本では、
自作の詩集、「さりげなく」を街角で売ってその日の糧をかせぐフーテンの若者
がいる。
日々のフーテン暮らしのなかでふれあった人達との物語が綴られる。
香具師のテツ
ヒッチハイクの旅人
家出捜査人と流しのカメラマン
偽装結婚式
通いフーテン、ポン太
「部族」のコミューン
オカマの売春宿
難しく考えないで軽い気持ちで読んでいくと、とても楽しく面白い。
誰にも、それぞれの`70があるし、そっから連綿と’16まで、まだその先も・・
人生は振り返ればほろ苦いかもしれんけど、今は楽しくなのだ。

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江弘毅、「濃い味、うす味、街の味」
表紙や中の挿絵の絵に惹かれて読んで見る事にした。食べ物の、あるいは食べ物屋
さんの絵を描くのはとても難しい。そやから何か参考人になること、何かのヒント
が欲しくて読んでみたのだ。わしの場合は基本は墨で描くんで色も少ししか使わ
ない。そのなかで食べ物の美味しさをどう表現するかが難儀な課題だ。食べ物、
食ってる人、店の雰囲気、街の空気、できたら1枚の絵ですべて描き現したい。
そんなんとても難しいけどやってみたい。
ちょっとでも近づく絵ができた時はとてもうれしい。
この本はそれが主眼ではなくて、大阪を中心にちょっと神戸、京都あたりも加えて
昔ながらの美味しい料理と店の雰囲気と街の空気を守ってきたお店の事を紹介
している。もちろんお酒の店もある。
知ってる店もあれば知らない店もある。どのお店も行ってみたい、いい空気を
漂わせているようだ。しかし、もう消えてしまった、消えそうになってる店も
あるかもしれん。
早い目に行ってみよう。

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