京都国立博物館で「与謝蕪村」展を見た

時々涼しい風が吹くもののまだまだ暑い日が続いていた頃の話だ。
今日は京都で水墨画を勉強した帰り、国立博物館に行くぞって決めていた。何故
かと言うと、「与謝蕪村」の展示会があるからだ。今回はかなり小規模みたいや
けど蕪村は大好きやから絶対行くのだ。
で、京阪七条駅を降りるとやっぱり暑い。日陰を選んで歩く。それでもたまらず
雨傘を出して日傘代わりにして歩く。
特別展ではないせいか、さすがに観光客は少ない。殆どの人は向かいの三十三間堂
に向かってはるらしい。
与謝蕪村展は平成知新館やから520円だ。安いということは中身が薄いという
ことか。
中に入ると、係員が近寄ってきた。絵の作品を入れた筒を背負ってるのを見咎め
たみたいだ。邪魔やろから預かってあげようって優しく言うけど、面倒やから
自分で持ってると言うても許してくれへん。ようするに長くて固そうなのは保安上
の問題があるということちゃうんやろか。
係員とごちゃごちゃやってる間にロビーではひと騒ぎが持ち上がってた。何やら
ゆるキャラみたいなのが登場して愛想を振りまいてはるのだ。えっー? こんな
とこでゆるキャラかいなとびっくりする。家族連れや子供たちと一緒にカメラに
むかってピースしたりしてる。
ようわからんけど驚いた。
場違いではないらしい。
ようみたらトラみたいな格好をしてる。もしかしたら尾形光琳のトラがモチーフ
なんかと思った。聞いてみたらやっぱりそうで、「トラりん」という名前なのだ
そうだ。会いたがってるのかと思われたらしく、〇〇時から又来ますよって、
教えてくれた。見たい人は是非どうぞ。
わしは、本当は見たくないんで、さっさと2階にあがる。2階の真ん中くらいが
蕪村の展示室だった。
やっぱりええなあ。素晴らしい。わしの憧れだ。
特に人物が良い。人物画もいいし、点景に出てくる人物もいい。
さらっと描いてるのに優しさが滲みでている。優しくておかしくてどこか悲しい。
風景もいい。やっぱり線が優しい。柔らかくて味がある。わしらが習ってるよう
な古典的な技法が基準ではあるけど独自の味わいを作り出している。
一番気に入ったのは絖本に描いた田園風景だ。絖本というのは絹の「練糸」で
「繻子織り」にした絵絹の一種で、画面に光沢がでる。その光沢を生かして
枯れた墨遣いで濃淡がその光沢の中でえもいわれぬ光の微妙な変化を現して
いてとっても風格がある。やっぱり大事なのは余白やなあって改めて思った。
描き過ぎてはいかん。味わいがいっぺんにだいなしになる。
難しいけど心して描かんとあかん。
奥の細道の巻物もよくみるやつやけどやっぱりよかった。
文と絵、旅物語、わしの目指す路線だ。こんなふうに描けたらどんなにええやろ。
小規模ではあったけどわしの好きな絵がいっぱいあってとても楽しめた。
とても勉強になった。
がんばらねば。
刺激を受けて描いた絵がこれだ。
もひとつかもしれんけど、こんな方向でも描いてみたい。

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外に出たら、とても暑い。
修復なった太陽で博物館がギラギラしてる。

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考える人は、相変わらず考えてはる。
考えてるんとちゃうという説もあるけどようわからん。

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暑いけどええ1日やった。

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ありがとうございました。