映画、「テイエリー・トグルドー憂鬱」を見た。

良い映画だった。かなり席が空いていたのが残念なくらいだ。フランスでは、
100万人が観たってちらしには書いてある。こういう映画が人気になるのは、
文化度というか大人度の高さを示すんと違うやろか。
ところで、この映画とは関係ないんやけど、ある日突然職場で酷い裏切りに
あってることに気がついたらどうやろう。あんなに信じて一緒にやってきたはず
やのに、何で? まさかわしのポジションが欲しかった? 上層部と結託して
わしを陥れる作戦が始まった? うそ? ドラマみたいやんか。
でもあきらかに苛められてる。
なんて理不尽な事が突然起こることもある。
正義は必ず勝つ、わしは正義の側にいるなんて甘い考えだったことが思い知ら
されるときもある。禍福は糾える縄の如しなのだ。
インターネットが世の中で少しずつ動き始めた時は感動した。なんて凄い時代が
やってくるんやと思った。こういう時代に居てこういうことに少しでも関わってる
ってエンジニア冥利につきるとさえ思っていた。それから酷い時代がやってきた。
有名な大企業がじわじわとつぶれていく。わしらの行ってた会社もあやしくなって
きた。人員整理の嵐だ。移動に退職、送別会ばっかりの日々もあった。少し浮いて
大きく沈みながらやがて無くなった。そんな話がどこにでもころがっている。
どこかおかしい。経営の上手下手は勿論あるんやろけど何かが狂ってきてるんと
ちゃうやろかと思ったりした。
インターネット社会がもたらしたものの素晴らしさはいやというほどわかってる
つもりやけど何か分からない恐ろしいものも産みだしてしまってるんとちゃうやろか?
グローバリゼーションの名を借りた新たな格差、富の偏在、支配と評価、
そそのかし社会、そそのかしあやつりあやつられ、それを自覚してない我々。
誰が本当に権力を握って誰が誰を支配してるのはよくわからない時代。
例えばレストランで「いらっしゃいませ」の笑顔のおもてなしさえが金銭価値
で計られる時代。
何かおかしい。
支離滅裂になってきた。簡単に考えをまとめるのは難しい。

eiga160915

テイエリー・トグルドーは人員整理で職場を解雇された。
妻と障害者の息子が居る。家のローンも残っている。
再就職の活動もうまくいかない。
やっと辿り着いたのは大きなショッピングセンターの警備員の仕事だ。警備員
て警備するんとはちゃうのだ。万引などの監視役がメインの仕事だ。時には職場
の同僚の不正も監視しないといけない。
しかし、不正が悪でそれを裁くのが正義という分かり易い図式ばかりではない。
時には理不尽の側にたってしまうことがある。
そのあげく自殺者まで出たではないか。
いったいお前は何なんや?
いったいおれは何なんや?
テイエリー・トグルドーはどうするのか?
決して他人事ではない。
是非劇場でご覧あれ。

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ありがとうございました。