最近読んだ本、「カシュガルの道」、「上方漫才黄金時代」

NO IMAGE

スザンヌ・ジョインソン、「カシュガルの道」 副題、「ある女性旅行者によるカシュガル案内」
図書館に本を返しに行ったら、返却本の棚にこの本があった。カシュガルか。
魅かれる言葉やんか。それにこの副題。いわゆる西域モノ、旅モノにはめっぽう
弱いし、砂漠を自転車で走る方法なんて言葉もちらちら見える。面白そう、絶対
読んでみようとすぐさま借り出した。
やっぱり勘は的中、とても面白かった。
しかし、自転車とは? なんぼなんでも何かの比喩か冗談かと思って読み始め
たらほんまに自転車持って行ってはった。
イギリスに暮らすエヴァンジェリンと妹リジーは、「忠実なる女性信者たちの使節団」
を組織して、ヨーロッパ人が殆ど住んでいない、まして宣教師など殆どいない
はずの地の果てとも言える中近東から西アジアのあたりに布教活動に行くとい
うミリセントと言う女性に影響されてその旅に付いて行く事にした。もちろん
自転車を持って。着いたところはカシュガルだ。大いなる砂漠の真ん中だ。
砂嵐が吹きすさぶ過酷な砂漠の旅の中で、ある日、娘が突然産気づいて苦しんで
いるところに出会った。ミリセントはためらうことなく助けようとするが、赤子
は助かり娘は死んでしまう。そして周りを異教徒たちが取り囲んだ。
いきなり3人は囚われの身に。ミリセントは娘を殺して赤子を食おうとしたと
いう疑いをかけられたのだ。
軟禁された3人はこれからどうなるのか?
狂信者ともいえるミリセントの布教活動はどうなるのか?
そして、ある日、とうとうエヴァは赤子を連れて旅にでる。次々に襲いかかる
危機から逃れるために自転車で砂漠を渡ろうともがく。
カシュガルからアクス、クチャ、コルラ、カラシャール、最後はウルムチまで。
そんなことが可能なのか? 赤子連れの旅は危険に満ちている。
はらはらドキドキの旅はどうなるのか?
物語はもうひとる。ロンドンの街の中だ。リーダは仕事にも恋にも満たされない
悩める若い娘だ。ある日、見知らぬ人の死亡通知を唯一の近親者として受け取った。
しかし、心当たりはない。遺品を片付けろという。どうしよう。
そんなとき、自宅前でイエメン人タイーブが寝ているのを見つける。何故か、
2人はその人の謎を解くために動き始めた。
謎は解けるのだろうか?
そして二つの話はつながっていくのか?
とても面白い。

hon160905-1

戸田学、「上方漫才黄金時代」
昔、受験を失敗して田舎から大阪にでて予備校に通う事になったとき、世間知らず
のわしは、なんて面白くてやかましくて元気いっぱいで毎日、毎日が驚き呆れる
ところに来たんやろと思った。嬉しくもあり心配でもある暮らしが始まった。
電車に乗るときも油断がならん。ホーム一杯に人が溢れて列なんかいっこも無い。
電車が止まったら我先にとなだれ込む。行儀悪いなあって思うよりさきにその
パワーに圧倒された。ごはんを食べにいっても田舎もんには信じられへんような
小汚くて安くてしかもびっくりするほど美味いもんを食わせる街角飯屋がいくら
でもあったような気がする。パチンコ屋も開店前から大行列だ。都会の暮らしって
こんなんなんかってわけもわからずワクワクしてた。
思えば上方漫才黄金時代ってこういう時代と大きくかぶった時代やったんやなあ
って思いつつ読んでいた。ラジオやテレビで活躍してて好むと好まざるに関わらず
耳に入ってきてたお笑い芸人の声が今でも耳に残っているようだ。
そのころはなんておもろい人たちなんやろ、天性のもんなんやなあって思てた
けど、こういう風に紐解かれてみると、芸の系譜がよくわかる。
なるほど、あの人はこの流れで誰それと誰それの風を受け継いでたんか、
なるほど、こっちの人は誰それの流れやったんかとすぐさま腑に落ちる。
知らん人はおらんからやっぱりわしは爺さんなんやとよくわかる。
これを読んでると大阪の元気の勢いがゆるむにつれて上方漫才の勢いも落ちて
きたんとちゃうやろか、あるいは上方漫才のパワーがなくなってきたんで、大阪
の元気が落ちてきたんとちゃうやろかと思ったりする。
昔はよかったなんて言いたくないけど、上方漫才が日本を席巻してほしいと願う。

hon160905-2

ブログランキングに参加しています。もしよかったらポチンとお願い致します。
にほんブログ村 旅行ブログ アジア旅行へ
にほんブログ村

ありがとうございました。