三年坂から清水寺へ

さて、三年坂美術館から外に出た。ここは桟寧坂ともいわれるそうだ。むしろ産寧坂が
本当なのかもしれない。しかし、二年坂があって、三年坂があったらこっちが本物に
思えるがどうなんやろ。まあどっちでもいい。それがわかっても何も起こらない。
三年坂は二年坂より急だ。ここまで来たらぐいっと上ってみよう。
登り口の柳がきれいだ。
登りきったら、道が分かれている。
どっちに行こう。左にまだ登りの道がある。その上に塔が見えている。
「きっとあれが清水寺だろう」
暑いし、結構面倒になったから帰ろうかとも思ったが、折角来たから清水寺までくらいは
行ってみようと、又登り始めた。
こんどは、門前商店街だ。
観光客相手の売り込みがやかましい。
「この○○はここしかないですよ」
「ここに来たらこれ買わなあきませんよ」
門まで着いた。おおきな階段がある。
あちらでもこちらでも記念撮影をしている。当たり前だが殆どが観光客だ。
そのまま門をくぐって上に上がる。
和服の人が何組かいる。
「さすが京都やわ、この暑いのに和服きてはるわ」
と思ってよくみると、どうも日本人ではない。中国の女の子らしい。
観光客用に貸し和服があるのだろう。そういえば、前に上の駅で和服を着ている中国人
の女の子を見た事がある。
「中国の女の子には人気なんやろなあ」
先に進むと所謂「清水の舞台」のところに来た。
「なんや有料かいな」
清水寺は昔来た事がある。金払ってまで又入る程の事はない。
「外から見て帰えろ」
引き返して、坂を下りると先ほどの分かれ道にきた。
「どの道を降りよ」と迷ったが、さっきと違う道にしようと思って、一番左を下り始めた。
下って行くと、ずっと先に京都タワーが見えるではないか。
「この道行ったら遠すぎるわ」
又登り返して、前の道との真ん中を降りていった。
降り切ったら結局は元の道にでた。
それはそれでいいのだ。

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