三年坂美術館、「小村雪岱の世界」

街の中で美術展のポスターが眼についた。
「小村雪岱の世界」というやつだ、確か、前にテレビでみたことがある。
花街の風景などを斬新な視点で切り取った画を描いている。
小説の挿絵なども多いようだ。
「それでは行ってみるか」
祇園四条で降りた。ここからなら歩いていけるだろう。
暑い日だった。駅から地上に出て、観光客が歩いている祇園のあたりを八坂神社まで行く。
そこから東大路を右に曲がるのだ。道の向こう側だから、信号を渡っておこう。
道は大きく曲がりながら下っている。てくてくと15分ほど歩いたら、外人の観光客
が多くなってきた。
「ぼちぼちやな」と思いながら左を向くと、坂がある。
登り坂だ。その先に塔が見える。
「多分2年坂に行く道やろ」と思いつつそこを左に曲がる。
坂の両側は京都らしい町並みだ。外人さんが記念写真を撮っている塔の横を抜けて
行くと、坂は右に曲がって更に登っていく。
清水寺は上にあるから登るのは当たり前だ。でも暑いからしんどい。
「これが2年坂か」
両側は土産物屋とか食べ物屋とかが並んでいる。
「えっ、もうついたか」
すぐに「3年坂美術館」があった。
「暑いですなあ」と言いながらチケットを買うが、あまり相手してもらえない。
向こうは冷房の中にいるから暑くないのだ。
この美術館、工芸品の常設展もあるので前からちょっと気になっていたのだ。
しかし残念ながら今回はお目当てのものがなかった。
肝腎の小村雪岱の世界。
「なかなかええもんやなあ」
視点や画面の切り取り方が勉強になる。
しかし「こんな繊細な画は絶対よう描かんなあ」
すごいけど路線がちがう。

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