ガラード401、アイドラー交換

「うんこらしょ、あかんわ、持ちあがらへん」
久しぶりにレコードプレーヤーの中を見ようとした。
アナログの愛機ガラード401であるが、もう買ってから30年以上たつだろう。その間、箱の裏蓋を
明けて中をみたことなんて数えるほどだ。というより、アームをつけるのに手古摺って1,2度
あけてみただけという記憶しかない。かなり先日、いつも私のオーディオの面倒を見てくれている
友人と会った時、「そろそろ、プレーヤーのアイドラー交換しといた方がええんとちゃう」と
言って、交換部品を預かったのだ。ゴムのアイドラーで接触させてまわしているのだから減るのは
当たり前なので、「それはもっともやなあ」と納得したが、しばらく忘れていた。
それで、ある日想い出して、「さて、換えてみよう」と思ったが、プレヤーの回転台を引っ張っても
なかなか上に上がらない。裏蓋をとって換えるんやったら面倒やなあとまたほっておいた。
それでも気になって、友人にメールすると、回転台を引き上げるしかないという。
「ならば」と一生懸命引き上げてたら、何かのタイミングでするっと上った。
中をみると随分シンプルだ。やっぱり、「良いメカは美しい」
こんどはアイドラーをどうやってこうかんしよう。
それもよくわからない。またメールだ。「上がねじになってるでしょう」
なるほど、真鍮をカシメているように見えていたがよくみるとねじの頭になっている。
簡単にとれた。
「さすがだ。音も素晴らしくなった」
かどうかは全く分からない。
しかしまあ、30年以上使い続けて、確かに毎日、毎日聞いて使い込んできたわけでないが、
時間がたつだけでもいろんなものが劣化するはずやのに、未だに殆ど手をいれなくてもきちんと
うごいているのは大したものだ。
アンプのスイッチを順番に入れる。プレーヤーの蓋をあける。
だんだん気持ちがもりあがってくる。
「さあ聞くぞ」レコードのジャケットをしばし眺める。
静かに回転台に乗せる。手前のスイッチレバーをONの方に捻る。この「捻る」という操作も
アナログぽくっていい。捻りとともに「カチッ」という確かな感触と控えめな音が鳴る。
回転台が静かに回り始める。音もなくだ。そして、カートリッジアームを持って、カートリッジの
蓋を外す。
アームのレバーを持って静かにレコードの端に移動させる。そっとレコード盤の上に置く。
この時、意識しないでさりげなく、しかもさっと手際よく載せるのがコツだ。
意識してしまうと、「がりっがりっ」とカートリッジがあばれる音がする。
まあ、しょうしょうはかまわない。
「シャー」というレコード独特の低いノイズがながれて、音楽が始まる。
アナログの世界だ。
「ええなあ」いつまでも長持ちしてほしい機械たちだ。
おっと終わりに気をつけて、アームをもちあげないと、また「がりがり」っと言わせてしまう。
全然自動化されてないのだ。

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毎週月曜はこだわりのモノの話です。