最近読んだ本、「B(ビリヤード)ハナブサへようこそ」、「さよなら妖精」

  • 2016年4月30日
  • 1人
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内山純、「Bハナブサへようこそ」
ビリヤードってとても面白いって思ったことはあるけど、結局数回くらいし
かやったことがない。わしが最初に教えてもらったのは四つ玉というやつだ。
白い玉二つ、赤い玉二つをビリヤード台に置く。白い玉の一つが自分の手玉
で、それを撞いて、他の白か赤かに当てる。白と赤の場合と赤と赤の場合で
点数が違ったけど今は同じらしい。
最初は一列に並んだところから始めるんで、いきなりそこからどうやったら
ええかわからん。一旦ばらけたら、簡単な時もあるし難しい時もある。時と
場合に応じていろんな技がある。それらは総て、物理の法則に適っている所
が面白いところなのだ。入射角と反射角は一致する。相手に厚く当たれば、
大きく曲がる、薄く当たれば小さく曲がる。真っ直ぐ当たれば撞いた玉はそ
こで停まる。総てが理屈通りの世界で魔法はない。
しかし、その理屈の組み合わせが難しい。思った通りキューを動かせるとは
限らない。それで何時まで経っても上達しない。
かっこええけど入って行き難い遊びやった。
他には数字の書いた玉を次々当てていくローテーション(正式名かな?)と
言うゲームや四つ玉に似てるけど、3回クッションに当たってから相手の玉
に当てるというスリークッションという超難しいやつがある。
この本はそういうかなりマニアックな世界が登場する。
ここは3回クッション元世界チャンピオンのハナブサ先生が経営するビリヤ
ード店だ。東京の裏町にある冴えないうらぶれた店で、一風変わった常連客
ばかりがたむろするような、下町食堂や昔ながらの喫茶店によくにた感じの
ところだ。一度入ってしまうと居心地はいいかもしれない。
例えばそんなある日、突然ハナブサ先生が事件に巻き込まれたらしい。しか
も殺人事件の第一発見者だ。場所は大豪邸にあるビリヤード室。そこの持主
である女性が殺されてビリヤード台に乗せられていた。
果たして猟奇殺人か?
犯人は誰だ?段々絞られてきた。
彼女にとりいってまとわりついてた優男か? 投資を受けてたビリヤードの
プロか、秘書の男か?
それぞれにアリバイがある。
秘密の通路も見つかった。
そして、先生のビリヤードの技を見ている内にヒントが浮かんできた。
・・・と言うような話。
異色の舞台装置がちょっと面白い。

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米澤穂信、「さよなら妖精」
「王とサーカス」と言う本を読んで、ネパール、カトマンズの街角が生き生き
と描かれていたんで、まだ行ったことのない街角が立ち上がってくるような文
章が読めたらええなあと思って読んでみた。
ちょっと違った。異色のミステリーだ。
ある日、大雨だった。
守屋が同級生の女の子と歩いているとき、雨宿りしている外国人の女の子を見
つけた。英語で話しかけてみたら通じない。英語が通じない外国人がいること
に気がついた。でも問題は簡単に解決した。日本語だったら通じたのだ。
先入観はあきません。それでその女性はとても困っているようだ。
傘を貸してあげればいいという問題だけではなさそうなのだ。泊まるところも
ないらしい。
こうして知り合いの旅館で住み込みバイトをしながら暮らすマーヤと彼らの日
常が始まった。
しかし、楽しい暮らしは長くは続かない。マーヤの故郷ユーゴスラビアで異変
が起きたのだ。あの悲惨な紛争、内戦の始まりだった。
そして忽然とマーヤは居なくなった。帰国したのだ。
それ以来全く連絡がつかない。
どこに帰ったかもわからない。
ユーゴスラビアはセルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、
マケドニア共和国、スロベニア、モンテネグロ、およびコソボ、こんなに別れ
てしまった。
調べよう。力を合わせて今迄の日記や記憶を辿ってみよう。必ず何かヒントが
あるはずだ。
ちょっとずつ手がかりを繋ぎ合わせて見たら見えてくるものがあるのではないか?
さて、どこの国か分かるのか?
マーヤと連絡はつくのか?
そして、ユーゴで何が起きているのか?
軽いけどちょっと面白い。

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