最近読んだ本、「歪んだ波紋」、「13・67」

  • 2019年3月18日
  • 3人

塩田武士、「歪んだ波紋」

「罪の声」を読んで以来この人の作品に出会うとつい手を出してしまう。いつも今の
世の中の何か気になるところを鋭くついた作品が多いみたいで読みながら快哉を叫ぶ事も
多かったりする。
今回は、マスコミのやり方にメスを入れたのか? 報道の姿勢のあり方を問うたのか?
フェイクニュースってどんなやり方でつくられるのか? 色々考えさせられる。
黒い依頼
ある著名人が市長選に出るというのは、ただの噂か?、本当か?、誰かに載せられてる?
そしてひき逃げ事件。まさか被害者の家族が?
誤報が虚報を生む? それともメイクニュース? 報道って恐ろしい。
共犯者
相賀はそろそろ定年を迎える。火事が起き、一人暮らしの女性が焼死した。唯のニュースの
ようで、その裏がありそう? そしてある時、以前の上司垣内の資料を見る。
彼は自殺したらしい。なぜ? 誤報か虚報か? 何を背負って死んだのか?
ゼロの影
Dの微笑
歪んだ波紋
それぞれが完結した短編のようで微妙に絡んでいる。セクハラ、パワハラ騒動、ネットで、
SNSで炎上? 今の時代の日常茶飯事だ。
それが意図的に操作される? あるいは意図的に作られる? そんな恐ろしいことも有りうるのだ。
新聞社や出版社だけでなくネットを使えば誰でも情報発信できる時代で、いったい何が真実で
何がインチキかわからん時もある。というかそんなんばっかりではないか。
とても恐ろしい時代に生きているのかもしれん。
たまにテレビを見たら、暇そうなコメンテーターたちがわいわいとくだらない揚げ足取りばっかりしてはる。
悪いやつやとテレビが思った人はいかにも悪そうな顔と共に報道されてる。
ええ人やとテレビが思った人はええ人顔がでてくる。
ようそんなおあつらえ向きの写真を準備してることやわ。
心して目と耳を澄ましていないとえらいことになってしまう。
くわばらくわばら。
そんな事を考えてしまった。

陳浩基、「13・67」

香港発のサスペンス。とても面白い。クワン警視絶好調、これってシリーズものなんかな?
1.黒と白の間の真実
瀕死のクワン、殺人犯を捕まえる。死せる孔明生ける仲達を走らすというやつ。
ロー警部が教官クワンの助けを借りて悪者を捕まえる。
2.任侠のジレンマ
マフィアの大物を捕まえろ。芸能界に、売出し中の女優が襲われる。殺したのは誰か。
背後のマフィアは犯人なのか?
3.クワンの一番長い日
マフィアの大物が白昼堂々と脱獄する。硫酸事件と関係があるのか?
病院で何が起きたのか?
4.テミスの天秤
麻薬犯を追い詰める、大捕物。銃撃戦で死んだのは? 重症をおったのは?
その裏になにがあったのか?
5.借りた場所に
イギリス人の子供が誘拐された。
彼は警察の不正を調べる役所に努めている。本当は何が起こったのか?
6.借りた時間に
連続爆破犯が爆発物をしかけたらしい。 本当なのか?
その狙いは何なのか? 果たして無差別爆撃が始まるのか?
自動車に隠された謎は?
とても面白い。返還前の香港の賑わいが立ち上がる。こんな香港大好きやったけどなあ。

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ありがとうございました。