茶釜の方はどうなった

先週は金刀比羅さんの門前街で買った鉄瓶の仕上がり具合の話をした。
同じ時に買った鉄瓶というより茶釜のようなモノの方はどうなったであろうか。
何の興味も持たない人が殆どだろうが無理やり報告することにする。
こちらも同じように茶で何日も煮詰めた。
最初はどろっとした鉄色の汁が残っていたが、だんだん綺麗になってきた。
水に切り替えてぐらぐら沸かしても色は濁らない。
それで外も椿油で拭いた。
鉄瓶ほど劇的?ではないがこれも結構良い感じになった。
なんとなく風流な茶道具のようではないか。
しかし、どうやって使おう。これは注ぎ口がないので、
「柄杓みたいなのがいるなあ」と思い探しにいった。
京都の三条、前に調味料用の小さなしゃもじを買った店に行って見たが頃あいのものが
ない。それでもう少し東に行くと、「籠新」というおなじような竹細工の店があった。
覗くと、奥のほうで、おっちゃんが、一生懸命竹を細工している。
「こんなんええなあ」と思いながら見ていたら、茶道で使うような綺麗な竹の柄杓が
あった。細工も綺麗だ。
「ええけど、ちょっと形がきれいすぎるなあ」
「あの無骨なやつにちょっと合えへんわ」
と思い、更に探す。といってもすぐ隣にならんでいたから最初からわかっていたのだが、
ごくふつうの竹杓子が見えた。よく山のお寺やなんかで手を清めるために貯め水を
すくったりする時に使うやつだ。
「適度に雑くてええやんか」と思いそれを買う事にした。
勿論値段は段違いに安い。
それで、この茶釜で湯を沸かして、茶を淹れて飲むと、格段に旨い。
まあ勝手にそう思うだけだが、気分の問題だ。

こんな事をしてしばらく遊んでみよう。

tyagama100621

店名、「籠新」
ジャンル 美術京花籠、茶道・華道竹製品
住所 京都市東山区三条大橋東1丁目
電話 075-771-0209

毎週月曜はこだわりのモノの話です。