京都の東山三条の近くで水墨画を習っている。いつもそこに行く時は京阪電車
を使う。三条京阪から歩いて行くと、何やら妖しげな食堂が気になる。昭和の
匂い満載の古ぼけたうどん屋さんのような洋食屋さんのようなわけわからんよ
うな食べ物屋さんだ。いつかは行ってみたいと思いつつも中々決心がつかない
ような佇まいだ。実は前にもこの店に入った事がある。
その時はあまりの強烈な印象におどろいたのかカメラがうまく作動しなかった
んで写真が残っていない。
中に入ると、もしかしたら昭和どころかもっと前ではないかというような風景
でもある。でもそれはそれなりに落ち着いて居心地良ささえ醸し出しているの
でそれを目当てにくる常連さんも多いような人達で席は常に満席状態に見える。
で、食べてる人たちのテーブルの上を見ると、或いは、注文してる人の声を聞
いても、殆どの注文は皿盛りという声だった。
わしも勿論それを頼む。
カレーのようでカレーでない。
カツが乗っているという意味だけではなくて、和風のあんかけタレがのっかって
いる。でカレーで無いようでカレーである。ちゃんとカレールーが閉じ込めら
れててスパイスの味がする。
不思議な食べ物ではあるが意外とおいしい。
カツは揚げたて熱々でさくさくとおいしい。肉もペラペラの超薄型サイズでは
なくてしっかりとカツ感がある。
これで650円は安いと思う。
これが人気の秘密なんやろね。
熱々すぎて、あんかけやしなかなかぱくぱくとは食べられへんけど、スパイス
が食欲をそそってどんどん食べてしまう。
癖になる味かもしれん。
食べながらふとエアコンを見ると、懐かしい。むかし勤めていた会社の製品だ。
生産中止になってからももう相当の年月が経ったことやろうと思う。
わしは頑張ってへんけど、こいつは頑張ってる。
ご苦労さん。
ご馳走さんでした。
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ありがとうございました。