ベジンというカレー屋さんの帰りがけ、「この辺りは初めてですか?」と言う
話になって、近くに「司馬遼太郎記念館」があることを教えて頂いた。
八尾方面にあるという事は聞いてたけど、このあたりにあるとは知らなんだ。
で場所を聞くと歩いていける距離だ。
ずーーと真っ直ぐ歩いて、突き当たったら右に曲がるだけ。
そのずーーとが意外と遠い。教えてくれた時も、それが心配らしく、ずっと、
ずっと歩いてと言うてはった。突き当たった所に看板があったので安心した。
で少し歩いたら、門番の方がいて、料金所があった。
「ここですか?」と聞くと、「ここです」と言う。
ごく普通のお金持ちの邸宅のように見えるけど、してみれば、これは司馬遼太郎
さんの住居跡を記念館にしたんやと思われる。
緑に囲まれた瀟洒なお家のようだ。
昔々、「龍馬が行く」って言う小説を読んでえらいかっこええなあって感激し
たのを思い出す。坂の上の雲、花神、翔ぶが如く、菜の花の沖、有名なやつは
殆ど読んだと思う。何れも主人公がカッコいい。読んでるうちに一緒に時代の
中に入り込んで、一緒になって悲憤し、あるいは慷慨するようになってしまい。
気分はすっかり一体かしてしまってる。
それですっかり歴史を理解したつもりになってしまってるから影響の受け方は
相当なもんだ。もしかしたら、子どもの頃、鞍馬天狗になりきってたんと同じ
かもしれん。
井上靖や司馬遼太郎のように時空を越えて同一化できるようなキャラクターを
生み出す作家ってすごいなあって思う。
でもそう思い込んでしまう弊害というのもあって、なかなか違う見解を受け入
れられへん。
そやから吉村昭のように事実を隅々まで徹底的に検証して細かな事実の積み重
ねの上に物語を作っていくような姿勢の人の本を読むというのを最近は好むよ
うになってきた。
歳をとって馬力が鈍ってきたせいかもしれん。
矢印にしたがって奥に進む。
モダンな建物の入り口がある。
中に入ると巨大な図書館があった。
ここから先は撮影禁止だ。
すごいなあ。はしごがないと本がとれないほど沢山の棚がある。
こんだけの資料を準備して本を書いてはったんや。
別室では司馬遼太郎の歩みをビデオ映像でながしてはる。
司馬遼太郎に浸るにはちょうどええ。
戦後の歴史に浸るのにもいい。苦しい時代に勇気を与えてくれた人だったとい
うのがよくわかる。
わしも浸ってたら、何やら撮影班みたいなのがやってきた。何かの取材かも知
れん。邪魔をせんうちにさっさと帰ろう。
ここからもうちょっと歩いたら、妖しい中華料理屋さんもあるらしい。
八戸ノ里ってとても面白い所かも知れない。
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ありがとうございました。