映画、「老港正傳」

旅の途上の飛行機の中で映画、「老港正傳」を見ました。
中国本土からの流民の子であろう主人公がいつか天安門を見に行く
という事を夢見て暮らす老映写技師の物語です。
香港の発展と貧しい中国、そういう中でも頑固に不器用にしか生きられない主人公。
だからいつまでたっても夢は実現しない。
やがて香港返還を迎える。
香港人は海外脱出を目指す。
しかし、中国も改革開放の中で大躍進を遂げる。
時代は中国へ。
人も物も中国本土へ流れる。
それでも、やはりこの家族、器用には生きられない。
時代に翻弄されながら、夢は実現しない。

最初に香港に行ったのは、街中を掠めて着陸する啓徳空港でした。
その後、自信に満ちた香港、
発展しつづける深センを何度か訪れました。
その頃は香港ドルを持って、中国本土に行くとそのままでも歓迎されるし、
高いレートで交換できたりと香港威力をさまざまと感じたものです。
しかし、変換後、どうも香港は静です。パワーが減って来た感じです。
それに香港、深センの国境も人であふれるという事もなくなってきました。
金持ちの香港人が深センに買い物に行くというパターンも意味がなくなってきたのでしょう。
その代わり、香港には中国人の旅行者で溢れています。
どんどん香港ドルの価値も下がってきました。
今では、香港ドルより元の方が珍重されるしまつです。

凄まじい時代の流れですね。
この中に生きた人達の話として感慨深く見ました。

honkon080228

毎週木曜は映画、音楽、書画に関する話です。